「なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか」と併せて読みたい「チームのことだけ、考えた。」(青野慶久 著)
今年の8月に、英治出版さんから「なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか」(ロバート・キーガン、リサ・ラスコウ・レイヒー 著)が出版されました
この本のベースには成人の発達理論があり、たこ梅も、成人の発達理論に基づくビル・トルバート博士の行動探求(アクション・インクワイアリー/Action Inquiry)を導入して取り組んでいます
それで、早速、この本も買って、、、と思ったら、いただいたので(^^;;;)、いただいた本を読ませていただきました
読んで気づいたことなどは、先日の長文ブログ(原稿用紙換算で25枚以上になってしまった、、、)に書いています
→「なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか」(ロバート・キーガン、リサ・ラスコウ・レイヒー 著)から気づいたことと決めたこと
私が、この「なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか」を読んで気になった部分は、先のブログに詳しく書きましたが、この本の中で提唱されている発達指向型組織(Deliberately Development Organization / DDO)が、われわれが志向している組織の形態と非常に近いものではないか?と感じたことです
「発達指向型組織 Deliberately Development Organization / DDO」の3つの側面
この発達指向型組織(Deliberately Development Organization / DDO)には3つの側面があるとされます
この3つの側面とは
・エッジ(発達への強い欲求)
・ホーム(発達を後押しするコミュニティ)
・グルーヴ(発達を実現するための慣行)
になります
この3つの側面を備えていると、所属するメンバーひとりひとりが発達し、結果、組織としても(おそらく組織の文化としてだと私は思いますが)発達段階が高くなっていきます
サイボウズ社はDDOになっているんじゃないか?
10月19日にロバート・キーガン教授来日セミナー「VUCA時代に変化を恐れない組織のあり方とは」がありました
そのセミナーでは、前半はキーガン教授の講演、後半はキーガン教授と数人の経営者の方とのパネルディスカッションだったんです
その時のこともブログに書いているので、よかったら見てね!
→ ロバート・キーガン教授来日セミナー「VUCA時代に変化を恐れない組織のあり方とは」に行ってきました!
そのパネルディスカッションのメンバーのおひとりがサイボウズ社の青野慶久社長でした
お名前くらいは知っていましたが、どんな方なのかくわしくは知りませんでした
ただ、パネルディスカッションでの発言をきいていると、一緒にお見えの経営者の方よりも、会社全体としてビジョンとそれの土台となる文化基盤に意識を向けて経営、、、というより、考えてはやってみる!的な行動をとられているように私は感じました
講演終了後、その講演に来ていた見知った顔の友人たちと近くで飲んでたんです
その時、あるひとりが、「青野さんの本、読んだ方がいいよ!タイトルは、まあ、(ムニャムニャ)だけど、、、内容はすごいよ!」って言ってたんです
まぁ、そういう本なら読んでみるか、、、って、ググッて購入したのがコレ!
「チームのことだけ、考えた。」(青野慶久 著)という本です
でまぁ、ペラペラ読んでたんですが、、、第2章の途中から、「えっ!これ、DDOやん!!」って気づきました
第1章から、サイボウズ社は、離職率が高いなどの課題あって、結局、「多様性」を大切にすることにした!と書かれていました
この多様性のある組織であるためには、第2章に「私たちが到達した1つの答えは『公明正大』だった。シンプルに表現すると、『嘘をつかない』ということだ。」ってありますが、これが必須になったようです
そして、前後を読めばわかりますが、今語られていることが、本当なのか?うそがないのか?を徹底的にこだわります
また、多様な意見を集め意思決定するために「質問責任」と「説明責任」を社員が受け入れることにしたともあります
これらの「公明正大/嘘をつかない」も「質問責任と説明責任」のいずれも、グルーヴ(発達を実現するための慣行)のひとつたりえます
読んでいくと、他にも、グルーヴ(発達を実現するための慣行)を構成するものがいくつも登場します
そして、多様性のある組織であるから、働き方も多様であるため、あるいは、多様な働き方を可能にするためとも言えますが、どうじに、それを受け入れる文化が構築され、これが、「ホーム(発達を後押しするコミュニティ)」になっているように思えます
DDOのもうひとつ要件であるエッジ(発達への強い欲求)ですが、この本を読む限りサイボウズ社で、明確に、これとこれ!というのは難しい部分があるのですが、私が、エッジだ!と思った部分を紹介します
そのひとつは給与体系で、市場の相場で決めるというのサイボウズ社にはあって、そこでは、転職の場合、いくらで自分の場合引き抜かれる(引き抜きがあった)ことを給与交渉につかってもいいという話が書かれていて、こういうことをするためには、自らを常に成長させるテンションがかかる仕組みが埋め込まれていると言うことではないかと思われます
また、転職やすきなことをやるために、一旦、退職しても再雇用する約束のパスを出すなどの仕組みがかかれています
事例としては、青年海外協力隊で海外に行くために、この制度を使っている社員もいるとか、、、
そうすると、社内では到底学べない、まったく、別の世界で学習をした人材が戻ってくる可能性が高まる
言いかえると、武者修行で成長し、発達する仕組みともいえます
これだけでなく、こういった仕組みが大小、いくつも本の中に散見されますし、読んでいて伝わってくるのは、どんどん、こんな仕組みが生み出される環境があるということなのです
これは、エッジ(発達への強い欲求)として働くだけでなく、「ホーム(発達を後押しするコミュニティ)」としての機能がそこにあるのが見て取れます
これは、いい方をかえると発達するためのエッジが、多様性というホームの中に埋め込まれているような状態なのかもしれないとも思います
ひょっとしたら、これが、文字通りの意味ではなく、文化としてサイボウズの「緩さ」なのかもしれません
同時に、この本を読んでいて気づいたのですが、青野社長って、結構、多くの会社だったら「こんなん言うて(書いて)ええのん?」ってことを書かれています
少なくともこの本を書かれた時点以降は、青野社長は、あまり装わない、さらけ出すことに抵抗がすくない方だと言えると思います
DDOの特徴として、さらけ出すことが求められ、それを相互サポートし、隠しておくことが少なくなっていく、、、というのがあると私は理解しています
これを実現しているのは、「公明正大~嘘をつかない~」というのがグルーヴ(発達を実現するための慣行)のひとつであるのと同時に、エッジ(発達への強い欲求)としても働いているだと思います
併せて読みたい「チームのことだけ、考えた。」(青野慶久 著)
ですので、「なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか」(ロバート・キーガン、リサ・ラスコウ・レイヒー 著)を読んで、「発達指向型組織(DDO)を目指したい!興味がある!」と思った方には、ぜひ、日本での事例として「チームのことだけ、考えた。」(青野慶久 著)を読んでいただきたいと思います
また、「そうはいうけど、そんなん、発達指向型組織(DDO)なんて、うちの会社じゃムリムリ、、、」って感じられた方には、さらに、この「チームのことだけ、考えた。」(青野慶久 著)を読んで欲しいです
というのも、読めばわかりますが、「なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか」(ロバート・キーガン、リサ・ラスコウ・レイヒー 著)に出てくる事例の3社(ブリッジウォーター、ネクスト・ジャンプ、デキュリオン)のような、ハード(?)で、「ちょっと、マネでけへんでぇ、、、」というものでなく、正直、緩いんですサイボウズ社、、、
だから、「チームのことだけ、考えた。」(青野慶久 著)を読むと、「ひょっとしたら、ウチでもできるかも、、、」って思えますから!
それ以上に、この本を読むといいなぁ~と思うのは、今に至る(今も発達の途上だと思いますが、、、発達に「上がり!」はないので)プロセスが、それこそ、「嘘がない」状態で、まんま、書かれているから!
だから、事例として、自社に活用しやすいと思います
それと、もうひとつ、この本がいいのは、「なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか」(ロバート・キーガン、リサ・ラスコウ・レイヒー 著)よりも、言葉もわかりやすいし、文章量も少ないので、スグ、読めちゃいます!!
ってことで、「なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか」(ロバート・キーガン、リサ・ラスコウ・レイヒー 著)に関心をもたれた方は、ぜひ、「チームのことだけ、考えた。」(青野慶久 著)も読んでみてね!!(^o^)v
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