TEALまでの発達段階とシステム思考の氷山モデルを並べると面白い!
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NVC, 行動探求・メンタルモデル, システム思考, 成長・発達, 学習する組織
昨年、ビジネス書の中では異例の大ヒット(ホームランかな?)を飛ばした1冊が「ティール組織」です
私も、出版されてすぐ購入して読みました
読んだ時に、各発達段階のこともかいつまんでコチラのブログに書いているのでご参考までに
→「ティール組織」(フレデリック・ラルー 著)を購入!
ティール組織と発達段階
この本の邦題となっているのはご存じの方も多いと思いますが、成人の発達段階を色で表したもので、特に、このティール組織では、組織の発達段階について書かれていて、組織も個人同様に発達段階を色で示されています
【人類のパラダイムと組織の発達段階】
進化型・ティール)変化の激しい時代における生命体型組織の時代へ。自主経営(セルフマネジメント)、全体性(ホールネス)、存在目的を重視する独自の慣行。
多元型・グリーン)多様性と平等と文化を重視するコミュニティ型組織の時代へ。ボトムアップの意思決定。多数のステークホルダー。
達成型・オレンジ)科学技術の発展と、イノベーション、起業家精神の時代へ。「命令と統制」から「予測と統制」。実力主義の誕生。効率的で複雑な階層組織。多国籍企業。
順応型・アンバー)部族社会から、農業、国家、文明、官僚制の時代へ。時間の流れによる因果関係を理解し、計画が可能に。規則、規律、規範による階層構造の誕生。教会や軍隊。
衝動型・レッド)組織生活の最初の形態、数百人から数万人の規模へ。力、恐怖による支配。マフィア、ギャングなど。自他の区分、単純な因果関係の理解により分業が成立。
神秘的・マゼンタ)数百人の人々構成される部族へ拡大。自己と他者の区別が始まるが世界の中心は自分。物事の因果関係への理解が不十分で神秘的。
無色)血縁関係中心の小集団。10数人程度。「自己と他者」「自己と環境」という区別がない。
システム思考の氷山モデル
私が2001年にたこ梅を継いだとき、お店は超赤字体質でした
それで、マーケティング理論を活用してなんとか立て直し、その後(売上と利益的には)順調に経営していました
しかし、2008年のいわゆるリーマンショックから売上が下がり続けます
私が知ってるマーケティング理論では(必ずしも)通用しない世の中になったんじゃないか?と思い悩む中で出会ったのが、ピーター・センゲ博士が提唱する「学習する組織」でした
この学習する組織を学ぶ中で、システム思考を知り、そこでよく登場するのが、システム思考の氷山モデルです
われわれが生きていると、しょっちゅう、不都合な現実や不愉快な出来事に遭遇します
それを見て、われわれは、「なんで上手いこといかへんねん」と不満に思ったり、「あれさえなかったら、、、」と落胆します
システム思考によると、それは、起きていることのほんの一部、巨大な氷山の海面から上の部分に過ぎないというのです
巨大な本体は、海面の下にあり、通常、我々は気づいていないのです
そういった不都合な出来事は、繰り返し起こり(行動パターン)、それは、内包する構造から生じ、それはその人の意識・無意識の前提(メンタルモデル)が生み出していると考えられます
くわしいことは、システム思考の本やドネラ・メドウズの「世界はシステムで動く」がおすすめです
TEALまでの発達段階とシステム思考の氷山モデル
以前から、なんとなく気になっていたのですが、発達段階と氷山モデルってなんか似てる、、、
ひっくり返して並べると、似てるように思います
で、ひっくり返して並べて見ました!
すると、こうなります
各発達段階とシステム思考の氷山モデルが、完全にぴったりくるわけでもありませんが、なんとなくだいたい対応します
若干、無理矢理な解釈も入りますから、単なるお遊びくらいに見て下さい(笑)
レッド段階(例 ギャング)は、目の前の「出来事」に反応的です
アンバー段階(例 教会や軍隊)は、固定された階層の中で生き、その「行動パターン」は階層ごとに固定的で、言い換えると知らず知らずのうちに特定の「行動パターン」に支配されているとも見えます
オレンジ段階(例 多国籍企業)は、目標に向かって最適化をはかるため、何があればそれが創り出せるのかと「構造」に目を向けます
グリーン段階(多様性を重視するコミュニティ型)は、その多様性に意識を向けますが「構造」を越える本質に迫ることは難しい状態です
ティール段階(生命型組織)は、組織そのものの声を聴く、つまり、組織の声の出所である構造、そして、意識・無意識の前提という自分自身の内面に気づき、さらけ出します
これはお遊びレベルですが、発達段階と氷山モデルがある程度対応するのは、そこに何らかの真実があるのだと思います
あたりまえっちゃー当たり前ですが、成人の発達理論によると、発達段階が高くなると、自分をより客体化出来るステージ(ロバート・キーガンの主体客体理論)となるそうですし、自分の内面と外の世界の関係がわかるようになるようです
また、発達段階が高くなるほど、自己内省力が高まることが知られています
これは、とりもなおさずシステム思考の氷山モデルで言う「意識・無意識の前提(メンタルモデル)」を自分で捉えて、出来事を眺めることが出来るということに他なりません
そして、このことは組織にも演繹すると、同じく、組織という生き物の内省力が高まっているのがティール組織という見方ができるのであろうと思います
発達段階とシステム思考とたこ梅
ティール組織の本を読む2年前になりますが、成人の発達理論の大家であるビル・トルバート博士の行動探求(アクション・インクワイアリー)を知り、それを導入しました
ほぼ同時期に、NVC(Nonviolent communication / 非暴力的コミュニケーション)にもスタッフさんと一緒に取り組んでいます
そして、その5,6年前から「学習する組織」(←システム思考を使います)を構築しようと手探りでいろいろやっていました
今になってみると、「学習する組織」を創るということは、発達理論で見ると組織の発達段階が高くなることであり、それは、組織として課題や問題に取り組む力=組織の内省力(出来事に潜む構造や意識・無意識の前提に気づく)でしょうし、それは個人の学習が起こり発達しているというこだと理解されます
ここでいう「個人の学習」の学習は、2次ループ以上の学習で、これは構造や意識・無意識の前提に気づいて、そこに立って出来事を眺め直し、新たな行動を生み出して異なる未来を紡ぎ出すことです
ですので、今は、個人と組織の発達、システム思考、学習などが、なんとなくつながって見えるようになってきました
ところで、発達理論やシステム思考をご存じの方には、「何をいまさら?」と思われるかも知れませんが、わたし、やっとこんなところにいるのです
それと、単純にですけど、やっとここにいる私は、発達段階とシステム思考の氷山モデルを実際に並べて眺めたかったのです
よかったら、こういった視点で自分の発達段階と自分が所属する組織の発達段階を見てみるのも面白いかも知れませんよ!
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