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「お客様のことが見えなくなったら読む本」(松野恵介 著)で気づいたこと

公開日: 気になる本

コトマーケティング協会代表理事 松野恵介先生の新刊が、先日、出版されました

「あなたのホームページが賽銭箱になる!」「年収が10倍になる!魔法の自己紹介」「なぜあの会社は安売りせずに利益を上げ続けているのか」「売れる人が大切にしている!「売り方」の神髄」に続く、5冊目の本で、「お客様のことが見えなくなったら読む本 売れる人の超訳マズロー欲求5段階説」です

「お客様のことが見えなくなったら読む本」(松野恵介 著)

「お客様のことが見えなくなったら読む本」(松野恵介 著)

私も、早速、読んでみました

面白かったので、一気に読んじゃった、、、

さて、この本は、ベースとしてマズローの五段階欲求説に基づいています
そして、マズローの五段階欲求説からコトマーケティングを紐解いています

、、、という前提に立った上で、私が気づいたこと、気になったことを覚え書きとして書いておきます

マズローの五段階欲求説

コトマーケティングは、モノではなくコトにフォーカスしていきます
本の中でも語られていますが、コトというのでよく誤解があるので、ちょっとだけ追加説明
「そば打ち体験」などはコトではなく「体験型サービス商品」というモノであって、コトではありません
コトが満たされた消費者は、よく「そうそう、こういうのが欲しかったんだよ!」って言葉を遣ったりします

マズローの五段階欲求説における「物質的欲求/モノ」と「精神的欲求/コト」

マズローの五段階欲求説における「物質的欲求/モノ」と「精神的欲求/コト」

さて、前置きはさておき、マズローの五段階欲求説では、低次から高次の欲求(生理的欲求→安全の欲求→社会的欲求(愛と帰属の欲求)→承認(尊重)の欲求→自己実現の欲求)へ、低次の欲求が満たされると次の段階の欲求に移っていくとされています
ただ、このときは、必ずしも100%満たされなくても、各段階で一定水準以上満たされると次の欲求が芽生えるとされます

生理的欲求でもコトマーケティング

本の中では、最も低次の欲求である「生理的欲求」の場合も、高品質で安ければ、そういうターゲットはいる!
日本には少なくなってきていても、海外に目を移せば、マーケットはたくさんある!と視点を変えることも示唆されています
これは、挙げられているひとつの例ですが、視野を広くもつことって大事だと感じました

読んでいて気になったこと、気づいたこと、雑感

さて、いよいよ、私の覚え書きですが、、、

これからのコトは相手を相手以上に理解すること

ひとつは、マズローの五段階欲求は物質的欲求(生理的欲求、安全欲求)と精神的欲求(社会的欲求、承認の欲求、自己実現の欲求)にわけられますが、モノとコトに分けて、どういうニーズがあるのかを観ていくことが大切だと言うこと

そして、今の日本では、より、コトより、つまり精神的欲求を満たしていくウェイトが高くなって行くであろうことです

いま、精神的欲求を「満たす」と書きましたが、より正確には、まず、相手の精神的欲求を「理解する」ことから始まるのだろうと思います
それも、相手が気づいていないレベルにまで理解して、それを言語化して、相手に「そうなのよ!」と分かってもらうことが、コトのマーケティングになっていくのではないかと本を読みながら考えていました

「恐れ」のマーケティングから「愛(Needs)」のマーケティングへ

もうひとつ、マズローの五段階欲求は欠乏欲求(生理的欲求、安全欲求、社会的欲求、承認の欲求)と存在欲求(自己実現の欲求)に分けられます

生理的欲求、安全欲求、社会的欲求、承認の欲求は、基本的に、それがないことの「恐れ」を克服するか逃れるかが欲求となっています
見せかけではなく真の自己実現欲求は、「恐れ」からではなく、「愛(Needs)」(ここでいうNeedsは、NVCで語られる文脈の本当に大事にするものという意味であって、区別のためアルファベット表記にしています)に立って構築されるもので、より創造的だと考えられます

マズローの五段階欲求説における「欠乏欲求」と「存在(成長)欲求」

マズローの五段階欲求説における「欠乏欲求」と「存在(成長)欲求」

本の中でも触れられていますが、承認欲求は、ふたつに分けられ、低次の承認欲求は他者からの承認(尊重や尊敬、褒められるなど)です
高次の承認欲求は、誰でもなく自分が自分を認めるという自己承認です

私の考えでは、低次の承認欲求である他者からの承認までは、確実に欠乏欲求に属しますが、高次の承認欲求である自己承認は、存在欲求(成長欲求ともいわれる)により近くなるのではないかと思います
この辺りから、「自律」が可能になってくるようにも思います

また、マーケティングで「愛(Needs)」が語られるようになり、それが、本として出版される世の中になってきたんだなぁ、、、と、10年前とか世界が違ってきているように感じます

実際、これから、「愛(Needs)」のマーケティングや組織構築が進んでいくと思うし、肌感覚として、世界はそちらへ進んでいるのが感じられます

たこ梅でも、今年から、自然農法で畑を始めようと着々と準備をすすめていますが、自然農法の研修に参加したとき、一緒に参加した社員さんが、「これ、スタッフの成長にいいですよね!」って言葉を発したときは、「やっぱり、そう思うんだ!」ってビックリと同時に嬉しくもなりました
飲食店、それも、ひらたくいえばお酒を出す店の社員さんが、こういうことをいう世の中になってきているのです

それだけでなく、マーケティングが、今回のマズローの五段階欲求説のような成人の発達理論を活用する時代になってきているのも見逃せないと思っています
組織開発も、先般、社会的ブームにもなってきたティール組織に代表されるように、発達理論を活用する時代になってきています
それも、ふつーに、、、

「お客様のことが見えなくなったら読む本」(松野恵介 著)

「お客様のことが見えなくなったら読む本」(松野恵介 著)

まず、1回、松野恵介先生の「お客様のことが見えなくなったら読む本」を読みましたが、2度3度読む中で、また、スタッフさんとこの本の内容について対話する中で、理解をすすめていきたいと思います

とりとめのないブログになりましたが、最後まで読んで頂いて、ありがとうございました!

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たこ梅 五代目店主 てっちゃん
大阪の道頓堀で創業180年の「関東煮(おでん)」と「たこ甘露煮」の上かん屋『たこ梅』の雑用係で五代目の てっちゃん(岡田哲生)です さらに百年後も店が続くために取り組んでいる日々の活動を綴ります ところで、ヨガと瞑想を始めました!! おかげさまで、心身ともにエエ感じです

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創業弘化元年。日本一古いおでん屋と言われるようになりました。 多くの作家や文化人にもご愛顧いただいたお店、鯨のサエズリなどの関東煮、たこの甘露煮、 そして錫の杯で、大切な方と粋な一献いかがですか?










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