「組織文化とリーダーシップ」エドガー・シャイン著を読んで気づいたこと!
いくらお店のひとががんばっても、私が努力しても、自分たちの力ではなんともできないことがおこります
例えば、リーマンショックだったり、地震だったり、新型インフルエンザの流行だったり、、、
そんなとき、「リーマンショックやからしゃーないわ」「地震や、どうせーちゅーねん!」と文句を言ってもかまわないと思います
ただ、それでは、何も変わらない、、、
たこ梅の面々は、そんなときでも、そこから目をそらすのでは無く、今、自分が何を持っているのか?どんなリソース(資源)があるのか?どうかかわることができるのか?何ができるのか?を一緒に考え、生み出す!創造する!ことを選ぶことにしています
そして、私は、そのために、いろんなこと、必要と思えることを学ぶように努めています
今回、「これは、きっと役に立つニオイがする!(笑)」って思った「組織文化とリーダーシップ」(エドガー・シャイン著)を読むことにしたんです
「組織文化とリーダーシップ」を読んで思ったこと
この本、巻末の索引までいれると497ページものぶ厚い本、、、
結局、読み終わるまでに3ヶ月以上かかりました
内容自体は、私にとっては興味深く面白いのですが、文章が難しいので、「これってーーー」って考えながら読む必要があって、読み終わるまで、こんなにかかってしまったんです
さて、内容はと言うと、組織というものは、文化をつくるとともに、その文化に影響を受ける
その文化というものは、いくつもの階層、例えば、民族や国家レベルの文化であるマクロカルチャー、企業や団体の文化である組織文化、職業別に特有にあるサブカルチャー、小さな部署やグループにおけるマイクロカルチャーがあり、これらが相互に関係して影響を受けます
そのことをエドガー・シャイン教授が、実際にコンサルティングに入る中で気づき学んだチバ・ガイギー社とDEC社を中心に、その他の企業や文献も交えながら、「組織のリーダーは、どのように組織文化とつきあえばいいのか?さらに、ひつようとなれば、どのように変革すればいいのか?」について、エドガー・シャイン教授自身も書いておられますが、ひとつの道筋というかやり方を提案されています
「組織文化とリーダーシップ」で、私が一番大事に感じたところ
21章、497ページにも及ぶ内容をひとつひとつ書いていく、、、くらいだったら、この本を読んでいただくのが一番!だと思います
それよりも、その中で、私が、一番大事に感じたところを紹介したいと思います
それは、「第17章 マネジされた文化変革のための概念モデル」の中にあります
ここでは、なにが組織変革のジャマをするのか?が論じられています
その部分をかいつまんで言うとというか、ちょっと、抜粋しますね!
このままではダメだという「生存に伴う不安感(survibal anxiety)」があるものの変化を嫌う気持ちが言い訳や大丈夫だという証拠を(無理矢理に)発見することで、この不安を打ち消そうとする
また、つちかわれた事故尊厳やグループへの帰属の気持ちを失わずに、新しい行動を学び、新しい態度を身につけることは出来ない!という「学習に対する不安(leraning anxiety)」が生ずる
この学習に対する不安を解消、つまり、心理的な安心感の形成が大切になる
【「学習に対する不安(learning anxiety)」を生み出すもの】
・パワーまたは地位の喪失に対する怖れ:われわれが過去に保持していたよりは少ないパワーや地位に留まることになる、という新しい学習に伴う恐怖心。
・一時的無能力状態への恐れ:学習プロセスでわれわれは能力があると感ずることができなくなる。何故なら古い方法を捨て、まだ新しい方法をマスターすることができていないからだ。
・無能力を罰せられることへの怖れ:新しい思想ややり方を学ぶことに長い時間がかかると、生産性の低下を理由に罰せられるのではないか、と怖れる。
・個人としてのアイデンティティーを失うことへの怖れ:われわれは、新しい仕事の進め方が求める人間のようにはなりたくないと思うこともあり得る。
・グループメンバーとしての所属感を失う怖れ:文化を形作る共有された前提認識も、誰がグループの一員であり、誰が外部の人であるかを区分する。もしわれわれが新しい思考や行動を身につけると、自分のグループからどうしても逸脱してしまい、その結果仲間から拒絶されたり、放逐されたりしかねない。
【どのように心理的安心感を生むのか】
1.力強いビジョン:変革の目標では、組織が新しい思考と仕事の進め方を学べば必ずいまより良くなるという確信が述べられていなければならない。このようなビジョンは明確に記述され、シニア経営陣によって広く支持されており、かつ「新しい仕事の進め方」がどのようなものなのかが行動上の言葉で明確に説明されていなければならない。また、この仕事の進め方の変更については、交渉の余地がないことが理解されてなければならない。
2.公式のトレーニング:もし新しい仕事の進め方に新しい知識とスキルが求められる場合には、組織メンバーに対して、必要となる公式、非公式のトレーニングが提供されなければならない。
3.学習者の参画:もし公式のトレーニングが実施される場合、その参加者が自らインフォーマルな学習プロセスをマネジすることができるという確信を持てることが大切だ。各学習者は少しずつ違った方法で学習を進めるので、学習者自身の最適な学習プロセスをデザインする際に学習者を参加させることが不可欠となる。学習のゴールについては交渉の余地がないけれども、学習の方法については個人ごとの自由度が十分に認められるべきだ。
4.適切な「ファミリー」グループやティームに関するインフォーマルなトレーニング:文化の前提認識はグループに定着しているので、インフォーマルなトレーニングと実習がグループ全員に提供されなければならない。その結果新しい規範や前提認識が全員が協力する形で導かれる。したがって新しい学習に取り組んでいるからと言って、学習者がグループから逸脱していると感じないように導いてあげなければならない。
5.実習の場、コーチング、フィードバックの提供:学習者は、彼らに時間、リソース、コーチング、さらに彼らの実践に対する適切なフィードバックが与えられない限り、根本的に新しいことを学習することは不可能だ。実習の場がとくに重要でアリ、組織に迷惑を掛けずに失敗してもよい場が提供されるべきなのだ。
6.効果的なロールモデル:新しい思考や行動の方法は学習者が慣れ親しんできたものとは違っているかも知れない。したがって自分自身が新しい方法で行動する姿を思い浮かべるということができるためにも、その方法が実際にどのように示されるのかというモデルが必要となる。つまりその姿を示すことができるほかの人の新しい行動と態度を観察することができなければならないのだ。
7.学習に伴う問題をガス抜きし、議論できる支援グループ:学習者は自分が抱える学習におけるフラストレーションや困難を、同じような困難を抱えるほかのメンバーと議論できる場を必要としている。そこではお互いをたすけ合い、困難に対する新しい方法を協力して学ぶことができることが大切だ。
8.新しい思考と仕事の進め方と一貫したシステムと構造:たとえば、その変革プログラムのゴールが、どうしたらさらにすぐれたティームプレーヤーになれるのかを学ぶというものであった場合、まず褒賞システムがグループへの貢献を高く評価する者であり、規律システムがあまりに攻撃的な自己主義の行動を抑制するものであり、さらに組織構造がティームとして働くことを助長するものであることが求められる。
【文化の変革に関する原則】
原則1:生存に伴う不安(survival anxiety)または罪意識のほうが学習に伴う不安感より大きい。
原則2:生存に伴う不安感を増大させるよりは、むしろ学習に伴う不安感を減少させるべきだ
原則3:変革のゴールは、「文化の変革」という脈絡のなかではなく、自分が解決したい問題という脈絡の中で具体的に記述されなければならない。
原則4:文化に伴う古い部分は、その部分を「担っている」人たちを除去することを通じて打ち壊すことが可能だ。しかし文化に伴う新しい部分は、新しい行動が人材を成功と満足に導いたときにはじめて彼らが学ぶことが可能になる。
原則5:文化の変革は、心理的な苦痛を伴う解凍の期間を要求する、トランスフォーメーショナルな(大規模で根本的な)変革だ。
※以上は、「組織文化とリーダーシップ」(エドガー・シャイン著)第17章より一部抜粋
わたしが、この第17章「マネジされた文化変革のための概念モデル」が大切に感じたのは理由があります
いわゆるフツーの飲食店から、何が起きても、その場に立って、自分たちで、その瞬間から創造していける「学習する組織」への変革の道を歩む中で、これまで、やってきたこと、今やっていることが、これらの原則にあてはまっているのか?これらの原則から見ると、修正の可能性が見つかるのではないか?という問いが私の中にあるからです
確かに、「そうだよなーーー」っていうのもありますし、「そっか、そういうことだったのか、、、_| ̄|○ 」もあります、、、^^;;;
そして、今、これからのプロセスにこの「組織文化とリーダーシップ」からの学び(第17章だけじゃなくてね!)を活かしていこうと思います!!
今日もがんばります!!(^o^)v
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