滋賀ダイハツ販売さんの視察研修に行って、物置場の整理でマネる!と語ったスタッフさんの理由に驚きました!
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たこ梅 本店, 行動探求・メンタルモデル, システム思考, 成長・発達, 学習・研修&セミナー, 学習する組織, 働く環境
先週、各店からおひとりずつスタッフさんに参加してもらって、一緒に、2013年に日本経営品質証を受賞された滋賀ダイハツ販売さんへ視察研修にいきました
そのときの話は、先日、ブログにもかいたので、詳しいことはこちらをご覧下さいね!
→ 滋賀ダイハツ販売さんへの視察研修にスタッフさんと参加して気づいたこと!!
そして、昨日は、道頓堀にある たこ梅本店の安藤さん(←視察研修で一緒でした)と面談をしていてました
冒頭、安藤さんから、こんな話が、、、
物置場の整理でマネをします!
視察研修は、あきない実践道場という研修プログラムでお世話になっているNNA社さんの主催でした
NNA社の佐藤先生、そして、滋賀ダイハツ販売さんの後藤社長も、「なにかひとつ、マネる!まねぶ!して下さい!」とおっしゃってました
それで、視察研修した各店のスタッフさんに、なにかひとつ、マネる!まねぶ!しようね!!とお願いしていたのです
すると、道頓堀にある たこ梅 本店の安藤さんは、「荷物をおいているスチール棚がある物置場を整理する」ことに決めた!と話してくれました
本店に行ったときに、物置場を見せてもらったら、スチール棚にいろんな道具や部材が並んでいるのですが、なにかしら雑然とした感じ、、、
滋賀ダイハツ販売さんで見た、例えば、掃除用具が並んでいる倉庫とは歴然と違います
それで、私は、「(滋賀ダイハツ販売さんの倉庫みたいに)あんな風に整理したいんやろうなぁ、、、」と単純に思っていました
ところが、、、
物置場を整理整頓しようと決めた!理由に驚きました
滋賀ダイハツ販売さんは、トイレ掃除から身も心も行動も磨こうという「滋賀掃除に学ぶ会」の事務局もされていて、大勢の社員さんが率先して参加されています
そのこともあって、掃除用具置き場はもちろん、オフィスも、仕事への取り組みも、きびきびとして整理整頓が行き届いておられます
それを見た安藤さんは、「やっぱり、あーならんといかんねんなーーーー」と思い、そのベースがトイレ掃除に始まる「掃除に学ぶ会」だったので、最初、本店のトイレをキレイにする!ことから始めようと決めて、そのことを会社のネットワークにアップロードするため、現状のトイレの写真も撮っていました
そして、アップロードする前に、ひとしごとあって、物置場にゆくと、そこには調味料の在庫も保管されています
見ると、「酢」が3本も入荷している、、、
お店では、酢は使いますが、通常、1日1本も使うことはあり得ません
それが、3本、、、
何でかと思ったら、あるスタッフさんが、土日なので、無くなってはいけない!ショートしてはいけない!と思って、多めに3本注文していたのでした
安藤さんは、そのスタッフさんには、そんなに心配しなくても大丈夫だから、、、と酢に限らず、発注の仕方を何度も注意していました
当然、その日までは、きちんと在庫と必要数を把握していないそのスタッフさんの問題である!と安藤さんは認識していました
ところが、、、
滋賀ダイハツ販売さんへ視察研修に行ったとき、掃除用具の収納助教をみて、「もし、今日、『安藤さん、ちょっと、掃除に行く道具そろえるの手伝って!』といわれたら、ボク、すぐ用意できる気がする、、、」と思ったそうです
つまり、初めての人でも、整理の仕方、管理方法がしっかりしていれば、いきなり言われても、多少時間はかかるにせよ「できるんだ!」と思ったんですね
で、物置場の3本の酢を見て、安藤さんは、これは、そのスタッフさんの能力のせいやない!滋賀ダイハツ販売さんみたいに、酢の在庫が整理されていたとしたら、本当に必要な本数だけ注文することが、だれでもできるはずや!と気づいたです
それで、トイレやない!
まず、この物置場の整理整頓をして、初めての人でも、少なくとも、そのスタッフさんが、いつでも正しい発注が出来るような整理整頓、仕組みをつくることをやろう!!って決めたんだそうです
2次ループの学習が起こってる!!
わたし、正直、この話を安藤さんが語ってくれたとき、鳥肌が立ちました!!
単に整理整頓するだけでなく、キレイに見せるだけでなく、その整理整頓が本当にもつ『意味』は、在庫管理、発注が「だれでもできる」ことなんだ!!と気づいたことに驚きました
これまで、安藤さんは、在庫管理と発注ができていないので、「このようにやりましょう!」と注意したり教えたりしていました
これは、うまく行っていない結果をみて、注意する!教える!という行動で、うまく行く結果に変化させようとしている「1次ループ学習」です
しかし、この1次ループ学習は、「正しい注文が出来るか否かは、注文者の能力にかかっている」という前提に基づいています
だから、その注文者の能力を引き上げるために、1次ループ学習では、注意したり教えていたのです
しかし、それでは、「注文がうまくいかない→注意する・教える」という出来事と行動のパターンが繰り返されていました
という事は、その下にある構造や意識・無意識の前提、メンタルモデルを変えないと上手くいかない、、、というのがシステム思考の鉄則です
これを行動探求(Action Inquiry)で使う「難しい会話のマトリックス」を使って表すと、今回の1次ループ学習と2次ループ学習が、今回、どのように起こったのかがよくわかります
行動探求については、3月に店で開催した「行動探求入門セミナー」のブログに詳しいので、こちらをご覧下さいね!
→ 行動探求入門セミナー(前編)
→ 行動探求入門セミナー(後編)
さて、安藤さんは、「正しい注文が出来るか否かは、注文者の能力にかかっている」という実際にこれまで使ってきた前提(枠組み)を「だれでもできる仕組みが存在する」という新しい前提(枠組み)に置き換えました
そうすると、1次ループの「注文について注意する!注文のやり方を教える!」という行動ではなく、「だれでもできる仕組みが存在する」という望ましい枠組み(新しい枠組み)から、「不足がひと目でわかり、よって、注文数がわかる置き方にする」という望ましい行動を取ることに決めたのです
それが、「荷物をおいているスチール棚がある物置場を整理する」という今回の行動なんです
安藤さんは、難しい会話のマトリックスを作って、今回の意思決定、行動にたどりついたわけではありません
滋賀ダイハツ販売さんでの視察研修のインパクト極めて大きく、物置場の「酢」が3本もある!というのを見たとき、整理整頓のもつ、人に安定した適正な行動を促すという意味につながり、2次ループ学習が起きたのだろうと私は推測しています
いずれにせよ、2次ループ学習は簡単には起きないことだけど、たこ梅という店としては、スタッフさんに2次ループ学習をやっていってほしい!と強く思っているので、このことに気づいて、わたし、メッチャ驚いたのです
この本店の安藤さんの取り組み、しっかりサポートしていきたいと思います!!
なんか、嬉しいわぁ~!!!(^o^)v
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