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1月の店長会議~「会議は『学習の場』となる」ことがわかりました~

毎月1回店長会議をするようになって、15年ほどになります
そして、先週、今年最初の店長会議がありました
その中で起こったことは、昔では考えられないことです
たこ梅の会議も、徐々に進化しているようです

たこ梅の会議の変遷

たこ梅の会議の歴史をふりかえると、ずいぶんと会議も変化してきました、、、

トップダウンの会議の頃(~20数年前)

20数年前くらいまでは、トップダウンで、あーする!こーする!ってやってたので、会議らしい会議はありません
店主(オーナー)と一族のもの、たまに、店長の一人くらいが呼ばれて、会議、、、というより、「あれはどうなってる?」とか聞かれて、「そいじゃ、こーしよか!」っていうような会議(っていえるのかな?私は、会議ではないと思います)だけでした
それでも、売上も利益もしっかり出ていたので、これでよかったんだと思います
こういうやり方が合ってたんでしょうね!

合議制モドキの頃(20数年前~)

その後、店主が病に倒れたので、店長さんたちを含めて、たまに会議のようなことをやっていたようです
といっても、「売上はどうか?」「あかんか?もっとがんばらな、、、」というようなことを話し合う
そして、また、困ったことが合ったら、集まって何か考える、、、そんな会議だったようです
まぁ、言ってみると、合議制モドキの会議だったんだろうと思います
ただ、この頃になると、毎年のように赤字になります

トップ主導の会議(約15年前~)

そして、店主が亡くなり、紆余曲折が合って後を継ぐ人がいなくて、サラリーマンだった私が継ぐことになります
しばらくは、全然、お店のこともわからないし、赤字は積み重なる一方だし、とにかくなんとかしよう!ってやってました
ちょっとして、月1回の定例の店長会議を始めました
会議と行っても、私が考えたことをどう思うかを店長さんに聞いてみる会議です
というより、私の考えを伝えて、違う意見が出れば、「そうじゃなくて、こうなんだ!」と説得するような会議です
店長さんからの自主的な発言は、ほとんど、いや、、、滅多にありませんでした
これは、サラリーマン時代に学んだ典型的なマーケティングを展開するために、必要だったこともあります
傍から見てたとしたら、トップダウンの会議とはいかないまでも、おそらく、トップ主導の会議だったんでしょうね

ただ、やってる時は、私自身は、考えを皆に伝えて一緒にやってる!気でいてました
実際は、そうではなく、店長さんや他のスタッフさんからすると、わけのわからんんままやってる、、、くらいのことだったと思います

マーケティングの力はあなどれません!
やってみると、これが上手く行って、黒字化して毎年利益が出るようになりました
おかげで、私は、当時おもいっきり勘違いしていて、「私は天才だ!エライんだ!!」なんて本気で思ってました
(今となっては、お笑いぐさですけど、、、^^;;;)

会議ファシリテーションを導入(約6年前~)

平成20年にリーマンショックがあって、そこから、売上は下降の一途をたどります
これまでのマーケティングだけでは、上手く行かない時代に突入したんです
そんな中、新たな手法をさがしていて、ピーター・M・センゲ博士の提唱する『学習する組織』という考え方に出会います

「学習する組織」(ピーター・M・センゲ著)

「学習する組織」(ピーター・M・センゲ著)

当時はよくわからないまま「これやったら、なんとかなりそうや!」って思って、単純にも「学習する組織を創る!」って決めたのが平成22年4月です
とはいえ、この「学習する組織」という本には、実際の組織の構築方法は書かれていません!!
いろんなセミナーに参加する中で、大阪のチーム経営さんという会社が提供している「会議から組織や会社を変える!」っていうのがあって、「これ、いける気がする!」って思いました
そして、平成23年の1月から約半年かけて、会議ファシリテーションを導入するための研修をしてもらったんです

現場会議の会議メモ(一部)

現場会議の会議メモ(一部)

会議メモを長めながら検討中です

会議メモを長めながら検討中です

それで、会議での発言を「会議メモ」と呼ばれる模造紙にどんどん書いていきながら、会議をするようになりました
会議の「見える化」がされたんですね
このやり方にして、もう、今年で、6年目に入ります

スタッフさんが進行役と書記役を自分たちでやって、会議を進めていくようになりました
当然、自分たちの意見がドンドンでるし、発言の少ないメンバーがいれば、発言を促したり、状況を聞いてあげたりするようになっています

こうしてみると、会議が、、、いや、会議と言うより意見を交換する中で、会議メンバーが一緒に、新たなもの、新たな価値を生み出す場となってきています

一般的にというか、飲食店の会議としては、私が言うのもなんですが、一応、ほぼ合格点に近づいたと言えるように思います
でも、そこに近づくと、さらに上に進むように、あらたな会議の方向性というか、会議の在り方が見えてきます

出来事の構造やメンタルモデルにもフォーカスしつつある会議(約1年前~)

最近は、さらに進化の兆しが、チラチラしてるんです
基本的に、これまでの たこ梅の会議では、課題を解決することに力を注いできました
それは、今も変わりません

システム思考の氷山モデル

システム思考の氷山モデル
(チェンジ・エージェント社より拝借)

ただ、まだ、ときどきほどでもありませんが、たまーーーにですが、起きた出来事!目に見える課題を解決する!のではなく、その奥にある構造やメンタルモデル、意識・無意識の前提を発掘して、そこにフォーカスすることが出てきました

おそらく会議やミーティングで、出来事の奥にフォーカスしたのは、一昨年の12月の打合せの時だったと思います

打合せ中に「写真撮るよ!」っていったら思い思いに顔を作ってくれました

打合せ中に「写真撮るよ!」っていったら思い思いに顔を作ってくれました(笑)

まだ、その時は、「ここは構造を観ていこう!」「メンタルモデルを、、、」「意識・無意識の前提だな!」とは考えず、ただ、今起きていることではなく、「その奥に、本当の何かがある!」という感覚に導かれてフォーカスしていきました
このときの話はコチラのブログ記事を見てね!
→ 怒りで始まった打合せが、笑顔で未来に向かう『場』になった理由(わけ)とは?

この後、こういう体験というか経験が繰り返されるようになり、システム思考で言う「氷山モデル」を使って課題に取り組むことが出てきたんです

システム思考の氷山モデルを使って検討

システム思考の氷山モデルを使って検討

実際に、昨年10月の店長会議では、氷山モデルの絵を描いて会議を進めています
その時の会議の様子は、コチラをどうぞ!
→ 10月の店長会議は、なぜか、システム思考がちょくちょく登場です!

「左側のセリフ」を使って思い込みをはずす

先日の1月の店長会議の中で、ある店長さんがパートスタッフさんから言われたことを話してくれました
パートのスタッフさんから、ある種の「不満」ととらえることが出来る発言があったんですね

これまでだったら、その不満を解消するためにどうするか?
あるいは、その不満が勘違いに基づいていると判断すれば、どのように正しく伝えるか?
を考えて行きます
つまり、起きた出来事に「対応」するという解決方法をとってきました

2017年1月の店長会議です

2017年1月の店長会議です

今回、ある店長さんがパートスタッフさんの不満を話してくれたとき、何かひっかかるものがあって、ちょっと立ち止まって見ました
確かに、見えてる課題を解決することは立派だと思います
ただ、同じことが、出来事や事件のちょっとした内容や関わる人が変わるだけで、何度でも繰り返される気がしました
いわゆる対症療法の限界です

その時出てきたのは、そのパートスタッフさんが本当に伝えたかったことはなんだろうか?ということです
その「真意」をつかみ、表面上「不満」に見えていることに惑わされることなく、そのパートスタッフさんの気持ちと一体となって、そこから見たら何が見えるんだろう?って思ったんです

で、実際に、会議のメンバーさんとで「左側のセリフ」といわれる実際の発言だけでなく、その時その人が声に出すことなく、声になることなく「思っていること」「感じていること」を言語化して理解し共有し、共感することにチャレンジしてみました

完全にそのパートスタッフさんの気持ちを掴み、相手の目で見る状態までには至りはしなかったようですが、メンバーさんの表情を見ていると、「あー、そいういうことだったのか、、、」と少しは掴めたようでした

思い込みを外すと生まれる行動が変わる

通り一遍の「見えている出来事」から「こういうことか」という思い込みを左側のセリフを使うこと(実際には、左側のセリフの手法をアレンジして使いました)で、外すことができたようです
そうすると、そこから生み出される行動は、まったく違ったものとなり、結果も異なっていきます

会議は「学習の場」となって行く!(今年~)

1月の会議を終わって感じたのは、「会議は会議をするだけでなく、課題を解決するプロセスが『学習する場』となり、メンバーさんが成長していくんだ!」ということです

システム思考では、「ダンスフロアからバルコニーに上がって眺める(観察する)」という言い方があります
会議でのホットな話題(課題)で意見交換をしたり質問しているのは、ダンスフロアでダンスをしている状態です
そんな時、一瞬、なにかが心によぎる、ひっかかるものを感じたら、それが何かを瞬間、内省して、そして、みなで一緒にバルコニーに上がって、「今、何がおきているのか?」「本当の課題、奥に潜んでいる真の課題は何なのか?」を観察し、探求する

つまり、この探求が、会議メンバー(スタッフさん)の成長をうながす学習に他ならないのだと今の私は感じています
当面、会議の中では、「会議は学習の場である」ということを意識して会議に臨み、メンバーさんの成長をサポートしていきます

そして、会議だけでなく、現場の仕事の中で、同じことが起こることを目指して進んでいけばいいんだ!ということがわかりました
スタッフさん同士が、「現場は学習の場である」と当たり前に認識するようになり、当たり前に仕事をする中で学習が進むようになる!これが、私がスタッフさんと一緒に創っていく世界です

「行動探求(Action Inquiry)」(ビル・トルバート著)

「行動探求(Action Inquiry)」(ビル・トルバート著)

今、この文章を書いていてつながりましたが、だから、3月に、ビル・トルバート博士が開発された行動探求(Action Inquiry)の入門セミナーを社員さんに受講してもらうことになってるんですね

行動探求(Action Inquiry)の初級者向けセミナーに話は進展!

行動探求(Action Inquiry)の初級者向けセミナーに話は進展!

行動探求の入門セミナーをたこ梅でやることなった経緯についてはコチラを見てね!
→ 行動探求の現場での活用についてチェンジエージェントの小田理一郎さんに相談に行ってきました!
「行動探求(Action Inquiry)」を実際に店で活用するための計画が進行中!!

世の中、上手くなってるもんですねーーーーー!!
いや、ビックリ!!(*゚д゚*)

 

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