「エクサスケールの衝撃」(齋藤元章 著)とシンギュラリティーのインパクトは、、、
今年の元旦に書いたブログで、4月13日までに12冊の本を読む!と宣言しました
その時のブログはコチラをみてね!
→ 元日に「4月までに、この12冊の本を読むぞ!」と宣言してみる
初めに手に取ったのがちょうど2年前、2015年1月8日に出版された「「エクサスケールの衝撃」(齋藤元章 著)」です
この本を読んでみて、どう感じたか、、、
今日は、そんなことを書いてみたいと思います
「エクサスケールの衝撃」(齋藤元章 著)の概要
「エクサスケールの衝撃」(齋藤元章 著)という本は、未来学者レイ・カーツワイルが発表したコンピューターの能力、機能が人類を越えるというシンギュラリティ(特異点/技術的特異点)をベースに、、、というか、触発されて書かれています
レイ・カーツワイルの予測によるとコンピューターが完全に人類を越えるのが2045年らしい
著者の齋藤氏は、世間では、2045年のシンギュラリティが注目されているが、2020年頃にエクサFlops級のスーパーコンピュータ(以下「エクサスケールスーパーコンピュータ」)誕生し、それが更に進化する中で2030年頃に「前特異点」ともいうべき事象が生じるとしています(ちなみに、現在の最高速スーパーコンピュータは、中国の「神威・太湖之光」で、約93ペタFlopsです)
さらに、このエクサスケールスーパーコンピュータの時代に入ると、最初に開発した国家や機関は、その圧倒的なエクサスケールコンピューティングパワーを使って、さまざまな事象の解明はもちろん、さらなく、高速スーパーコンピュータの開発が可能となり、レイ・カーツワイルのいう「収穫加速の法則」(強烈な自己強化ループ)が働いていて、それ以降、他の誰も、追いつけなくなる、、、と予想しています
このエクサスケールスーパーコンピュータが本格稼働するようになると、人は食べるためや命をしのぐために働く必要なくなり、さらに、老化も克服されるという「不労」と「不老」の世の中が来る可能性がある!としています
とうぜん、地球温暖化も克服され、「金(かね)」の呪縛からも解放される、、、未来も可能である
おもいっきりハショって言うと、こんな感じです
くわしくは、「エクサスケールの衝撃」(齋藤元章 著)を読んで下さいね
600ページ近い分厚い本ですが、読みやすい平易な文体でかかれていることもあって、結構というか、かなり速く読み進めることが出来ますよ
「エクサスケールの衝撃」(齋藤元章 著)を読んで感じたこと
レイ・カーツワイルによると2045年頃とされるシンギュラリティ(特異点)、それまでは、全く異なる世界になるとされています
レイ・カーツワイルによる「6つの進化段階」
レイ・カーツワイルは、その著書の中で、情報の秩序という視点あるいは側面から進化をとらえ「6つの進化段階」にまとめています
ちょっと、その「6つの進化段階」を紹介して、そのあとで、私の感じたことを書いていこうと思います
【レイ・カーツワイルによる「6つの進化段階」】
第1の進化段階
「物理と化学」(原子レベル構造内の情報)
↓ DNAが進化
第2の進化段階
「生命」(DNA内の情報)
↓ 脳が進化
第3の進化段階
「脳」(神経系パターン内の情報)
↓ テクノロジーが進化
第4の進化段階 ・・・我々が、現在、生きている段階(てっちゃん注)
「テクノロジー」(ハードウェアとソフトウェアのデザイン内の情報)
↓ テクノロジーが生物学的手法を習得する
第5の進化段階 ・・・「特異点」が始まる段階(てっちゃん注)
「テクノロジーと人類の知性は融合する」
(人間がつくりだした指数関数的に拡張しつづける、
テクノロジー群に人間の知性を麩食う生物学的手法が統合される)
↓ 大幅に拡張された人間の知性(多くが非生物的)が宇宙全体に拡散される
第6の進化段階
「宇宙は覚醒する」
(宇宙の物質とエネルギーのパターンが、知的プロセスと知識により飽和する)
宇宙が誕生し、原子から分子、つまり「物質」がうまれた第1の進化、原始の地球で生命が誕生し、二重らせんのDNAが生まれ遺伝情報として後代に形質を伝達できるようになった第2段階、神経細胞が生まれ、それが絡み合い神経節からさらに高度な「脳」となった第3段階、そして、技術や手法が編み出され、そのテクノロジーが新たなテクノロジーを生み出し、どんどん、加速度がついてきているのが現代の属する第4段階です
第5段階、第6段階は、どうなるのか?は想定されていますが、少なくとも、現在の私の認知の限界を超えています
ただ、書物の記述から、ただただ表面的な頭での理解というか、「そうなのか、、、???」くらいにとどまっています
シンギュラリティ以降の世界は?
シンギュラリティ(特異点)は、それ以前と、それ以後では、非連続的に(人には見える)世界が創造されるんだろうということは、なんとなくわかりました
そして、それをもたらすのが、人間の脳の機能、知性をはるかに超えたエクサスケール(あるいはその1000倍のゼッタスケール)スーパーコンピュータであるのだろうということまでは理解できます
ただ、そこからの世界、あるいは、その手前の前特異点からの世界が、実際どうなるのか?
それは、誰が?あるいは、どの国が?そのスケールのスパコンを開発するかで、まったく、違ってくるように思います
ある状況下では、齋藤元章氏が想定するような人類が、労働と老いのくびきから解き放たれて、創造性に満ちあふれた世界がくるかもしれません
一方、べつの条件の下では、圧倒的な強国(あるいは独裁者)とその他、、、になるかもしません
それどころか、テクノロジーと融合した人類ですらなく、人類は絶滅し、知性を持ったテクノロジーだけの世界があるのかもしれない
それこそ、いろいろなシナリオが考えられます
シンギュラリティとそこに至る段階を考える中で感じたこと
今回、この「エクサスケールの衝撃」(齋藤元章 著)を読んだことで、特異点、前特異点の後の世界、そこに至るためにどうあるのか?ということを考える視点をもつことができました
こんなことを書くと「おでん屋の店主に、何の関係があんねん?だいじょうぶか?」と思われるかもしれません
それは、ごもっともだと思います
同時に、こういうこともあるんだ!って意識にあることが、単に視野が広がるのではない、でも、うまくいえませんが、知っているのとそうでないのとでは、普段のちょっとした意思決定にも影響を及ぼす気がします
というのは、書いていてひかえめだと思うので、正直に書くと、確実に影響を及ぼします
本当は連続していますが、人の目から見て、非連続に感じられるくらいの変化が起きることがある
このシンギュラリティもそうだし、ローマクラブの「成長の限界」にみられる人類世界の崩壊シナリオもそうです
ところで、不思議なことに、偶然ではないのかもしれませんが、成長の限界に達し人類世界の崩壊が起こる時期と前特異点の時期がほぼ同じなのです
前特異点が先に来て、それも、平和的なシナリオで、エクサスケールコンピューティングが他者支配でなく、人類貢献に活用されたら、成長の限界を突破、あるいは、かわすことのできる新たなシナリオのひとつになるかもしれません
「認知の限界」が存在する
そんなことより、特異点、成長の限界、いずれも、人間には実際に「自分が生きているうちに起きる」「遅くとも子どもたちの世代の間に起こる」って実感を持てません
実際にこれらが起こる時って、ある日突然に起こったようにしか見えない種類の変化ですから、、、
このグラフは、1日目1円、2日目は2円、3日目は4円、、、と毎日、前日にある金額と同じだけためていくとどうなるかのグラフです
10日後、20日後、30日後にいくら貯まったか、ちょっと、考えてみていただけませんか?
いくら貯まったか、予想したら、グラフの下の金額を見てくださいね
1円から初めて10日目でいくら貯まったと思います?
約千円です(正確には1,024円)
では、20日目は?
なんと、、、百万円を超えます!!(正確には1,048,576円)
そしたら、1ヶ月後、30日たったら?
ビックリ(*゚д゚*)!!1ヶ月で、なんと、なんと、、、10億円!!(正確には1,073,741,824円)
年末ジャンボ宝くじが当たったようなもんです!!
いかがでした?
だいたい、あたってましたか?
多くの方は、1ヶ月で年末ジャンボ宝くじ、、、とは思われなかったのではないでしょうか?
人間の感覚では、直線的に、比例的に増えたり減ったりするのはイメージしやすいのですが、指数関数的に増減する場合、イメージしにくい、、、のではなく、基本的にイメージできません
計算すればわかりますよね?
上のグラフも計算して描かれていますから、、、
でも、人間の感覚的では、掴みづらい、もっというと掴めない!出来事が存在します
決して、突然に起きた出来事ではなく、決まっていることが決まっているように起こっているだけなんですが、、、
これが、「認知の限界」といわれるもののひとつです
ちなみに、他にも認知の限界は存在します
ひとつご紹介しておくと、普段、自分が出している雰囲気、トーンと呼ばれるものです
ある人には、何もしてなくても人が寄ってくるのに、別の人の処には、静かにしていても誰もの来ない、、、とか
これは、その人が持つ雰囲気・トーンに周囲の人が反応しています
全員が、この雰囲気・トーンを感じ取って反応していますが、世界でたったひとりだけ、この雰囲気・トーンを感じない人がいます、、、そう、自分だけ、、、
これも「認知の限界」のひとつです
「認知の限界」を突破する
さて、この「認知の限界」を突破できたら、これまでと違うことを考えて、違うことをやっていくことで、将来に備えたり、新たな未来を描ける可能性が広がります
でも、どうやったら?
シンギュラリティ(特異点)は、このグラフで言うと、28日目、29日目あたりのような状況です
あれよ、あれよという間に、10億円になっていた!!(10億円ら歓迎かもしれませんが、、、^^;;;)
感覚的には、突然、億のお金が手に入った!!としか感じられないんです
ある日突然に起こった!(ある日突然億の金が手に入った!)としか見えない出来事が、決まっていることが決まっているように起こるんだ!と見えるようになっていれば、それは、特異点が起こることも、成長の限界が来て現在の人類の世界が崩壊することも、「認知の限界」を突破して見えるようになる!理解できる!ということです
私が、今回「エクサスケールの衝撃」を読んでいて、認知の限界を突破する新たな方法(私が気づいてなかっただけですが:笑)に気づきました
それは、単純な話ですが、その認知の限界の向こうが見えている人の話を聞く!ってことです
知らない世界、わからない世界が見えている人の話を聞く、書いたものを読むということなんです
あたり前でしょ?(笑)
ただ、この当たり前のことを「自分の認知の限界の向こうを知る手がかかりになる!」と意識して、聞いたり、読んだりするとチョット違います
どう違うかは、試していただければわかるのではないかと思います
同時に、こちらは再確認したのですが、「認知の限界」を突破するには、システム思考とフィードバックが必須であるということです
人には感覚的にとらえられない関係を
・システム図(時系列パターン変化グラフやループ図等)に表す
・他者(人だけでなく環境の変化や反応も含む)からのフィードバックを得る
ことで気づき、発見するのです
先ほど、「『自分の認知の限界の向こうを知る手がかかりになる!』と意識して」と書きましたが、見えない関係を捉えるためにシステム図をえがいたり、周囲からのフィードバックを得る(気づく)ためには、敏感に変化を捉える「意識(Awareness)」の高さが重要になると思っています
ところで、システム図などについては、チェンジエージェント社さんのサイトに詳しいので、興味のある方は訪ねてみてください
→ チェンジエージェント社さんの「システム思考」のサイト
特異点を知ったら、併せて読まないとなぁ~!と思った本
今回、「エクサスケールの衝撃」を読んで、そんなことを思ったり気づいたりしていました
そして、この本読んだら、これも読まんとなぁ、、、と積ん読が気になってきました
それが、
・成長の限界 人類の選択(ドネラ・H・メドウズ、デニス・L・メドウズ、ヨルゲン・ランダース 著)
・限界を超えて(ドネラ・H・メドウズ、デニス・L・メドウズ、ヨルゲン・ランダース 著)
・ポスト・ヒューマン誕生(レイ・カーツワイル 著)
です
ねぇ、やっぱり、読まないとねぇ、、、^^;;;
元日に読むと決めた12冊、、、これを読んだら、こっちも読むことにします
さぁ、今日も、楽しくがんばろーーーーーーーっと!!(^o^)v
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