*

チェンジ・エージェント社主催「システム思考実践発表会」でグランプリをいただきました

日本一古いおでん屋「たこ梅」の 雑用係 兼 五代目店主 てっちゃんです

たこ梅を私が継いでから、今年が24年目です
先日、その中で私が取り組んできたことで賞をいただいたので、今日は、そのことを書こうと思います

たこ梅を継いでから

先代がなくなって店を私がやるようになったのが、平成13(2001)年です
それまで、5年くらい連続赤字、、、(涙)
それをマーケティング理論などを使って、翌年から単年度黒字化しました
そのあと順調だったんですが、2008年9月のリーマンショックから、売上がさがりはじめました
私の知るマーケティングスキルをつかっても上向くことはありません

このままいったらどうなるんだろう?と途方にくれていました
それでも、当時は、なんでも答え、正解があるとおもっていたのでそれを探し始めました
私の知ってることをやってうまくいかないということは、知らない理論やスキルに答えがあるに違いない!といろんな方面のセミナーに行ったり本を読んだりしてました

「学習する組織」にで出会う

その中で、「こうすれば組織は変えられる!」(ピーター・クライン、バーナード・サンダース 著)を読んで「学習する組織」という考え方を知り、ピーター・センゲの「学習する組織」(当時は、この前の版で徳間書店から「最強組織の法則」という邦題の書籍でした)を読みました

「学習する組織」(ピーター・センゲ 著)、「こうすれば組織は変えられる!」(ピーター・クライン、バーナード・サンダース 著)

「学習する組織」(ピーター・センゲ 著)、「こうすれば組織は変えられる!」(ピーター・クライン、バーナード・サンダース 著)

これを読んだとき、「このやり方だったら、リーマンショックでも、地震でも、新型インフルでもきっと大丈夫だ!!」と思ったのです
注)地震:1995年の阪神淡路大震災、新型インフルエンザ:2009年の大流行でさらに売上を押し下げた

この時は、「学習する組織」という考え方は、私にとっては「学習する組織という『やり方』」でした
「学習する組織」(当時の書籍名は「最強組織の法則」)という書籍には、理論といくつかの事例があるのみでやり方、方法は書かれておらずその方法をその後探し続けることになります

その後、当時の私が「学習する組織っぽい」と思ったことを学んで仕事につかおうとしていました
例えば、コーチング、サーバントリーダーシップ、U理論など、、、

そのうちに、学習する組織というのはやり方でなく、そこを探求する道があるだけなのだと気づいた、、、というか、それが、今の私の理解です

学習する組織の5つのディシプリン(チェンジ・エージェント社のサイトより引用)

学習する組織の5つのディシプリン(チェンジ・エージェント社のサイトより引用)

学習する組織は、5つのディシプリン(Discipline/規律・規範・訓練)で構成されます
5つのディシプリンとは、自己マスタリー、共有ビジョン、メンタル・モデル、チーム学習、システム思考の5つです(くわしいことは、チェンジ・エージェント社さんの「学習する組織5つのディシプリン」ページを参照ください)

そのうちの一つ、システム思考にもずっと取り組んでいます
このシステム思考の中に、出来事をシステムで捉えて一種のチャートに表現する因果関係ループ図(以下、ループ図)というものがあります
これが書けるようになるのは、新たな楽器が演奏できるようになるのと似ていて、やり方を頭で理解するだけではなく、実際に何度も描く練習、訓練が必要です

学習する組織を知って、すぐにこのループ図にも取り組みましたが、うまくできずすぐに挫折しました

それが、新型コロナで(お店が休業だったり)時間ができたとき、チェンジ・エージェント社さんが、ONLINEでループ図を描いてシステム思考を学ぶ連続講座を開催され、そこに参加して練習するようになりました
おかげで、ある程度はループ図も描けるようになってきたのです

システム思考実践発表会

今年、チェンジ・エージェント社さんが「システム思考実践発表会」を開催、わたしもエントリーしました

「システム思考実践発表会」は、一般参加できるものですが、主として、私の参加した講座や別に開催されているシステム思考の講座、システム思考の企業研修などの受講生からエントリーがあったようです

システム思考実践発表会エントリー「ひとりひとりが自分事として取り組める会社になるために」

システム思考実践発表会エントリー「ひとりひとりが自分事として取り組める会社になるために」

私のエントリーは、「ひとりひとりが自分事として取り組める会社になるために」というテーマでどのように取り組んでいるかをお話ししました

①-1 人手不足と採用プロセス

①-1 人手不足と採用プロセス

社内における「人手不足と採用プロセス」「決まったことを決まったとおりにする」「気づいて言う」「お金のことを考える」という4つの問題を取り上げました

①-2 人手不足と採用プロセス

①-2 人手不足と採用プロセス

まず、ループ図に描いてどういうシステムでその問題が起きているのか、その問題に目先の解決方法(対処療法)で解決しても、そこから別の問題が生まれて、モグラたたきになる話をしました

賞与以外の仕組みも連動

賞与以外の仕組みも連動

そして、一見別々の問題にはそれらに通底するより根深い問題が存在して、それに向き合い取り組むことで根本的に解決(根治療法)できることをループ図で示して、実際にどのように取り組んで、どういうことが起こっているかについてお話ししました

システム思考実践発表会 グランプリ 表彰状

システム思考実践発表会 グランプリ 表彰状

今回、このような個別の課題にとりくみつつ、全体を俯瞰して根治的な取り組みをしたことが評価されたようで、審査委員さんと参加者の方々の支持を得てグランプリをいただきました

学習する組織という道を歩むと人生がちょっと豊かになる

わたしが、日本で一番古いおでん屋「たこ梅」で、雑用係 兼 五代目店主 をやっているのは、私が関わる人は80億人以上の全人類からすれば本当にわずかですが、そういった人たちが、「ちょっと、人生が豊かになる」ことにかかわれるからです
お店で、お客さんが、「美味しかった」「楽しい時間だった」とおっしゃるのは、限りある人生のその時間がちょっと豊かだったのだろうと思います
お店のスタッフさんが、「お客さんに名前おぼえてもらった!」と嬉しそうに話すのも、その瞬間、人生がちょっと豊かだったからだと思います
だから、美味しい!楽しい!を通して、たこ梅に関わる人の人生がちょっと豊かになっていってほしいと思います

私の中では、学習する組織という道を歩むと、それが想像上であったものから、この世界に、色彩を帯びて現実に表現されていく感覚があります
これからも、スタッフさんとともにこの道を歩んでいきます

最後まで、読んでいただいて、ありがとうございます ^^

関連記事

3月の現場会議です

3月の現場会議~成長が垣間見え、行動探求入門セミナーに向けての取り組みも決まりました!~

昨日は、たこ梅の若手スタッフさん中心に毎月1回開催している現場会議の日でした この日は、ひさびさに

記事を読む

学習する組織に向けて活用する3種類のテクノロジーと成人発達理論の勉強

今年のホワイト企業大賞で「学習する組織経営賞」という特別賞をいただきました ホワイト企業大賞

記事を読む

合併企業が思うように一つにならない本当の理由(中土井僚 著)

「合併企業が思うように一つにならない本当の理由」(中土井僚 著)を多店舗展開している店が抱える課題へ活用するには?

11月に、U理論の翻訳者であり、企業のコンサルティング、組織開発などに取り組んでらっしゃる中土井僚さ

記事を読む

「POWER AND LOVE / 未来を変えるために本当に必要なこと」(アダム・カヘン 著)

「POWER AND LOVE / 未来を変えるために本当に必要なこと」(アダム・カヘン 著)をゆえあって再読します

この前、ブログで、たこ梅が小阪裕司先生が提唱されるワクワク系マーケティングに取り組んでいる理由(わけ

記事を読む

自分の事例でシステム原型「予期せぬ敵対者」を描く演習

「ディビッド・ストロー氏に学ぶシステム原型」で頭がウニになっています

現在は、VUCAの時代で、先が見通せない!分からない!といわれる世の中になってきた、、、と言われてい

記事を読む

ロバート・フリッツ氏と記念撮影

「創り出す思考」ワークショップは、すごかった!どうすごかったのかというと、、、

先日、ロバート・フリッツの最新刊「偉大な組織の最小抵抗経路 ~リーダーのための組織デザイン法則~」が

記事を読む

CTIコーチング「フルフィルメント」コース

CTIコーチングのコースアシスタントに入る理由(わけ)

コーチングファームのCTIさんが開催されるコーチングの応用コースに「フルフィルメントコース」がありま

記事を読む

たこ梅 北店に貼られた自作の行動論理の表です

世界初!?行動論理(Action Logic)が貼られた飲食店が誕生!!

学習する組織を構築する上でのテクノロジー、スキルでもあり、ひとつの道でもある「行動探求(Action

記事を読む

「これからのリーダーシップ勉強会」後のふりかえりタイム

「これからのリーダーシップ勉強会 7月」は、5期の最終講です!!

昨年、9月から毎月1回、道頓堀にある たこ梅 本店の和田店長、ホワイティうめだ(地下街)にある たこ

記事を読む

The Managerial Moment of Truth の書籍と講座テキスト

失敗に気づき、認め、学習し実践するを4つのシンプルステップで可能にするMMOT(The Managerial Moment of Trueh)研修の準備中

日本一古いおでん屋「たこ梅」は、現在、コロナで「崖っぷち」、経営的には危機的状況です 昨年の赤字は

記事を読む

Comment

  1. 細川栄一 より:

    グランプリ、おめでとうございます。
    さすが、ワクワク系マーケティングの実践者ですね。

たこ梅 五代目店主 てっちゃん へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ブログをメールで購読

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

25人の購読者に加わりましょう
follow us in feedly
創業弘化元年。日本一古いおでん屋と言われるようになりました。 多くの作家や文化人にもご愛顧いただいたお店、鯨のサエズリなどの関東煮、たこの甘露煮、 そして錫の杯で、大切な方と粋な一献いかがですか?










PAGE TOP ↑