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「価格上昇」時代のマーケティング(小阪裕司 著)の読書感想文

日本一古いおでん屋「たこ梅」の 雑用係 兼 五代目店主 てっちゃんです

「価格上昇」時代のマーケティング を購入

われわれは、美味しい関東煮(かんとだき/おでん)、たこ甘露煮、お酒などを通して、お客さん、部員さんに、その人生が豊かになる「価値」をお届けすることを仕事の本質ととらえています

関東煮(おでん)、錫の上燗コップとタンポ、たこ甘露煮

関東煮(おでん)、錫の上燗コップとタンポ、たこ甘露煮

ですので、たこ梅は飲食業ですが、ビール工場見学や酒蔵探訪などにも行きます

アサヒビールミュージアム見学の記念撮影です

アサヒビールミュージアム見学の記念撮影です

この8月も、コロナで3年ぶりにアサヒビールさんの吹田工場に、たこ梅FUN倶楽部員さんといってきました
ちなみにそのときの話はこちらをご覧下さい
→ 3年ぶりに「たこ梅FUN倶楽部 スーパードライ探検隊」行ってきました!

関東煮(かんとだき/おでん)、たこ甘露煮、酒などの飲食物、ビール工場見学などのイベントもすべて、価値を届けて、お客さん、部員さんの人生の豊かさに貢献するためです

「価格上昇」時代のマーケティング(小阪裕司 著)を購入

「価格上昇」時代のマーケティング(小阪裕司 著)を購入

そんな価値を届けるやり方として、たこ梅では小阪裕司先生が提唱される「ワクワク系マーケティング(感性科学マーケティング)」を取り入れています

その小阪裕司先生の最新刊「価格上昇」時代のマーケティング が上梓されたので、早速、お店近くの書店で購入しました

「価格上昇」時代のマーケティング を読んで

いまは、新型コロナ、半導体不足、ロシア・ウクライナ戦争などで、流通や製造、生産がとどこおっている上、日本は超円安に見舞われ、輸入品を筆頭にありとあらえる原材料、資材価格、商品価格が値上げラッシュです

さらに、国内では、最低賃金が毎年引き上げられ、大阪府でも今年10月から時給1000円を超えます
原材料に加え、賃金上昇も、一般的には、製品や商品、サービスの値上げの要因となっています

そんな中で発売された「価格上昇」時代のマーケティング(小阪裕司 著)なので、この情勢にどうやって対応すればいいのか?という目線で読むと、頭を殴られます(笑)

原価から売価を決めるのは大量生産時代の思考

もちろん、原材料や賃金上昇を価格に転嫁するのは、当然やるべきことですが、この考え方は、原価がいくらなので売価はいくらか?という(人間の寿命からすると)長く続く大量生産時代の影響、あるいは、無意識の前提に基づく思考に他なりません

安い方が売れる!安くしなければ!というのも大量生産時代の思考、遺産(?)ですね
この本の中では「安く売る」ということを否定しているわけではありません
安売りは、「安いという価値」を売っているということに気づきなさい
「安い」というのは、たくさんあるうちの「ひとつの価値」ということなのです

これがわかった上で、自社が「安い」という価値を提供して、やっていける(できれば、楽しくやっていける)のであれば、それはそれでいいのです
ただ、一般的には、これこそ大量生産が前提になりがちなので、大資本で大規模の企業が有利になります
中小企業や個人商店は、この「安い」という価値で商売を続けることは難しいのではないかと思います
たこ梅も、小さな飲食店ですから、「安い」という価値を提供しの商売は難しいと考えています

「価格」は「価値」にしたがう

であれば、たこ梅もそうですが、中小企業、個人商店は、「安い」以外の価値を提供していくことが大切になると思います
価格を高くすると「高いからいらない」といわれる懸念がありますよね
われわれもあります
ただ、それは、何もせずに、これまでと同じ状態で値段を上げるとそうなると思います

もし、商品やサービスはかえなくても、その商品、サービスがもっていてお客さんに届いてない価値を掘り起こして伝えたらどうでしょうか?
その価値に響く、その価値が欲しいお客さんは、より高い価格で「そうそう、こういうのが欲しかったんだよ」って、きっと買って行かれます

「価格」は「価値に」にしたがうのです

より価値の高い商品、サービスを開発することも重要ですが、それ以上に、すでに販売している商品、サービスの伝わっていない、発掘されていない価値を見つけて伝えていくことも重要ですよね
だって、「価格」は「価値」にしたがうので、未伝達、未発掘の価値を伝えればより高い価格が受容されますから

「価格」を「原価」から解放する

価格が価値に従うようになれば、原価と価格は(原則として)関係なくなります

これまで、原価が40%が標準の業界でも、お客さんにより価値を伝えられたら、その商品、サービスの原価は10%、つまり原価の10倍の価格をつけてもかまわないのです
そのとき、お客さんが、「ありがとう」と笑顔で喜んで購入いただける価値を提要できたいたら、、、

そのためには、商品の価値を掘り起こすことが必要ですが、お客さんという人に焦点を当てる、人中心で捉えて価値を見出していくことが大切になります
例えば、お客さんがポロッと漏らした何気ない一言、お客さんが商品を探すときにどこで立ち止まってどんな仕草をしたか、、、そんなところにも、価値を掘り起こす、価値を伝えるヒントがあるのです

最重要は「存在意義」「感性」「マスター」

「価格上昇」時代のマーケティング(小阪裕司 著)ですが、章立ては次の通りです

序-2022年、価格が崩壊した
第1章 「価格上昇時代」がやってきた
第2章 「安さこそが価値」からの脱却
第3章 「価格は価値」に従う
第4章 「値付け」の作法
第5章 「値上げ」の作法
第6章 今、目指すべき「マスタービジネス」への道
第7章 「値決め感性」の磨き方
終章 今こそ自分たちの「存在意義」を問い直すとき

現在の原価高騰ラッシュ、値上げラッシュの日本にいると、この本の章の中では、第4章「値付け」の作法、第5章「値上げ」の作法が一番気になると思います
私も、もくじを見たとき、読んでいるときは、「値付け、値上げはどうすればいいのか、その答えが知りたい!」と第4章、第5章が気になっていました

たしかに、第4章、第5章には、従来の価格の捉え方に対して視座の転換を求める内容となっていて、目から鱗の値付け、値上げの観点がこれでもか!と書かれています

ただ、その後に書かれている第6章、第7章は、そういう視座を獲得するとか、そういう「道」を生きるために必須の内容で、終章に至っては、人とつながる中での商売に根源的に大切なもの「あなたでなければ」という存在意義、「あなたから買いたい」という存在となる、存在であることについて言及されています
この本の中で、より重要な章であり、これがあるからこそ、値上げも、値付けも自由に選べるようになるのだともいます

値上げに悩む方へ

取引先から値上げの要求されている、取引先(小売りなどの場合は消費者)への価格転嫁、値上げをどうしようかと悩んでいる方は、ぜひ、この本をオススメします

単に、値上げのやり方では無く、商売における「価値」とは何か?商品、サービスと価値、価格は、どういう関係にあるのか?が、きっと見えています

そして、第6章以降にあるように、商売とは本質的に何を届けるものなのか?そのために、自分はどうあればいいのか?という世界が開けてきます

ぜひ、書店で手に取ってみて下さいね

「価格上昇」時代のマーケティング(小阪裕司 著)

「価格上昇」時代のマーケティング(小阪裕司 著)

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この本にあるようにお客さんとつながることが、ますます、必要になってきます
単に、自分の商売を継続するためで無く、お客さんにさまざまなか価値を届けるため、つながりという価値を大切にするためです

それで、フェイスブックでは、たこ梅に関心があればどなたでも、参加できる、つながれる「チーム たこ梅」をつくりましたす

フェイスブックだけで無く、2022年7月から、部員証をデジタル化してLINEの友だち登録するとどなたでもLINE部員証を発行できるようになりました

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【デジタル部員証のいいところ】

・たこ梅の明るい「えこひいき」が届きます
スタンプカードで楽しい特典があります
ポイントも貯まります(利用は3回来店でFUN倶楽部入部から)
・季節の関東煮(おでん)、珍味、酒のお知らせがタイムリーに届きます
・ビール工場見学、酒蔵見学、ミニ四駆大会などの楽しいイベントのお知らせがいち早く届きます
・そして、人生が(今より)ちょっと、楽しくなります

いろんな明るい「えこひいき」があるし、季節の関東煮(おでん)、珍味の情報がタイムリーに届きます

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たこ梅 五代目店主 てっちゃん
大阪の道頓堀で創業180年の「関東煮(おでん)」と「たこ甘露煮」の上かん屋『たこ梅』の雑用係で五代目の てっちゃん(岡田哲生)です さらに百年後も店が続くために取り組んでいる日々の活動を綴ります ところで、ヨガと瞑想を始めました!! おかげさまで、心身ともにエエ感じです

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創業弘化元年。日本一古いおでん屋と言われるようになりました。 多くの作家や文化人にもご愛顧いただいたお店、鯨のサエズリなどの関東煮、たこの甘露煮、 そして錫の杯で、大切な方と粋な一献いかがですか?










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