*

現場会議の事前面談~顧客進化の『盲点』が生まれる理由がわかった!~

公開日: 学習する組織, お客さま関係性

昨年、たこ梅の顧客進化における仕組みで、新規客さんがリピーターに進化するところに生じる大きな盲点を発見しました
「これ、なんとかせんとなぁ~」って思って、取り組んできましたが、この前、現場会議の事前面談の中で、なぜ、そもそも顧客進化の仕組みの中で『盲点』が生じるのかがわかったんです!!
それは、、、

顧客進化の仕組みの中で生じる『盲点』とは?

たこ梅では、ワクワク系マーケティングの創始者である小阪裕司先生が開発された「顧客の旅デザインマップ」をつかって、お客さまの進化を考えていきます

顧客の旅デザインマップ

顧客の旅デザインマップ

顧客の旅デザインマップにおいて、お客さまは、
「見込み客」→「新規客」→「リピーター」→「ファン(絆顧客)」→「サポーター(応援者)」
と進化していきます

※「リピーター、ファン(絆顧客)、サポーター(応援者)」をまとめて「顧客」といいます
※小阪裕司先生の正式な「顧客の旅デザインマップ」では、ファンではなく絆顧客、サポーターではなく応援者となっていますが、たこ梅では、これまでの経緯があって、ファン、サポーターという呼び方にしています
ちなみに、新規客にも、この「顧客」に対応するいい方があって、その場合「お試し客」といいます

そして、たこ梅では、新規客さんが、できるだけファン(絆顧客)、可能であればサポーター(応援者)まで進んで頂けるように工夫をしています
たとえば、あいさつやスタッフプロフィールのかかれた名刺をお渡しする!
そして、たこ梅のことをもっと知ってもらうために3回の来店を促すスタンプカードを渡す!
さらに、たこ梅FUN倶楽部に入部いただいたら、定期的にたこ梅通信というニューズレターやメルマガをお届けするなどです

無意識でファン(絆顧客)、サポーター(応援者)になりそうな新規客さんを選んでしまっている

無意識でファン(絆顧客)、サポーター(応援者)になりそうな新規客さんを選んでしまっている

たこ梅のスタッフさんは、熱心で一所懸命なので、あいさつや丁寧な接客はどなたにもしますが、新規客さんのうちファン(絆顧客)、サポーター(応援者)になりそうな方だけを無意識のうちに選んで、名刺やよろしくね!カードを渡してしまう傾向にあります

ここが盲点でした、、、
ホール担当のスタッフさん全員へのヒアリングの結果、だいたい、10人の新規客さんのうち、名刺やよろしくね!カードを渡すファン(絆顧客)、サポーター(応援者)になりそうに思うお客さまの割合は1人か2人です

そう!つまり、新規客の80%には、(あいさつや通常の接客は除いて)ノーアプローチ、より緊密な関わりはしてなかったんです、、、_| ̄|○

ちなみに、この盲点の話は、以前のブログでも詳しく書いてるので、興味のある方はコチラをどうぞ!
→ 今、取り組んでいる顧客進化を促す仕組みの『盲点』を発見、、、ガビーーン!!

ノーアプローチの80%の新規客さんにアプローチを試みると、、、

それで、アンケートを活用したアプローチの取り組みなど、いくつか取り組んできました
ところが、さほど、アプローチが出来ていないのが現状です

いったいなにが起きているのか?
あるいは、なにかが起きていないのか?

たこ梅 本店の安藤さんと現場会議の事前面談です

たこ梅 本店の安藤さんと現場会議の事前面談です

5月の現場会議の事前面談を各店のスタッフさんと順番にやっています
先日、道頓堀にある たこ梅本店の安藤さんとも現場会議の事前面談をおこないました

その面談時、ちょうど実施中のアンケートをつかったお客さまとのコミュニケーションの取り組みが、予想に反して苦戦している状況についてお互い、観察したところ、思うところを意見交換していたんです

アプローチできる新規客さんとアプローチできない新規客さんは何が違うのか?

その意見交換の中で最初に気づいたのは、どんな新規客さんにアプローチできているのか?ということです

アプローチできている新規客さんは、新規客さん10人中1~2名で、スタッフさんが、直感でファン(絆顧客)、サポーター(応援者)になりそう!って感じている方々です
逆に、アプローチできていない新規客さんは、新規客さん10人中8~9名で、スタッフさんが、直感でファン(絆顧客)、サポーター(応援者)になりそうには思えない!って感じている方々です

そして、アプローチできている新規客さんに何を感じて、ファン(絆顧客)、サポーター(応援者)になりそう!って思うのか?を意見交換していきました
そこで出てきたのは、、、

・お客さまから、何か話しかけてくれる
・お客さまから、質問してくれる
・声をかけると、テンポよく返事が帰ってくる
・会話が続く

そんな特徴が見られます
これを言い換えると、そもそも、その新規のお客さまは、『心を開いている』状態であるということです

新規客さんをどう見ているかのチャート

新規客さんをどう見ているかのチャート(安藤メモ)

そこに気づいたとき、つぎにわかったのは、アプローチしていない8,9人のうち、まず、ファン(絆顧客)、サポーター(応援者)にならない新規客さん、言い換えると『心を開かない』(開く気がない/全くかまわれたくない!好きにしたいので放っておいてほしい!とか、、、)お客さまは、実際は10人中これも1,2人だろうということです

そうなると、残りの6~8人は、単に「初めての店で緊張(あるいはチョット警戒モード)」な『心を(まだ)開いていない』(開く可能性は十分にある)だけのお客さまなんです!

ところが、この緊張・警戒モードの『心を開いていない』新規客さんと『心を開かない(開く気がない)』新規客さんって、見た目では区別がつかない!んです
ほとんど、同じに見えますから、、、

ここで大事なのは、
これまでは、新規客さんのうち
・1,2人だけが『心を開いている』お客さま
・8,9人は『心を開いていない』お客さま
と見えていたのが、

これからは、
・1,2人は『心を開いている』お客さま
・6~8人は『心を(まだ)開いていない』(開く可能性は十分にある)お客さま
・1,2人は『心を開かない(開く気がない)』お客さま
に見える処に立てる!ということです

 

新規客さんの見え方が変わると、直後、こんなことが起こりました!

この日の面談では、この話の前に、期間限定のドリンクをどうするか?という話を安藤さんとしていました
試飲したのですが、安藤さんの意見は、わりと普通なので、別段やらなくてもいいんじゃないの?ってものでした
私の意見は、確かに、ものすごくインパクトあるわけじゃないけど、季節季節のドリンクで、ちょっとお客さまに楽しんでもら期間限定でやったらどうなの?です

そして、新規客さんの見え方が変わったとき、安藤さんは、ぽそり、
「この○○(期間限定の飲料)も、開いていないお客さまとのアプローチにも使えますよね、、、」
って言ったんです

そう!
安藤さんの頭の中に、新しい新規客さんの見え方が取り込まれたので、その見え方から、この「やってもしゃーないなー」としか(安藤さんには)思えなかった飲料の違った使い方が見えたんですね!
(ちなみに、この見え方が明らかに変わるって、行動探求で言う2次ループ学習です
2次ループ学習だから、飲料の違った使い方に発展したと言えます)

で、このとき、私は、
「ねぇ、安藤さん!
いま、何を言ったか分かる?」
ってききました

安藤さんの頭の中に生じた新しい見え方が、つまらない(と感じていた)商品の別の使い方を見させたことに気づいてもらいたかったんです
そして、この見え方、気づき方の変化は、他の社員さんやホールパートさんにも生じたらどうなるか?を思い描いて欲しかったんです
新規客さんの新しい見え方を知ったスタッフさんは、勝手に、新しい自分なりの取り組みができるようになる!っていうことなんです

新規客さんからリピーターさんへのお客さまの変化は結果であって、それを引き起こすのは、スタッフさん自身の頭の中の変化なんです
このスタッフさんの頭の中の変化を引き起こすように取り組んで行きます

そして、安藤さん、ちゃんと、このこともわかってくれて、5月の現場会議の議題に、今回のことを盛り込んでくれるそうです

5月の現場会議が、楽しみになっちゃいました、、、(^o^)v

関連記事

「進化の構造1,2」(ケン・ウィルバー著)

「進化の構造」(ケン・ウィルバー著)、強力に頭がわいています!(笑)

1月10日くらいだったと思います 今から、ちょうど、1ヶ月ほど前ですね 「進化の構造1,2」(ケ

記事を読む

たこ梅 北店に貼られた自作の行動論理の表です

世界初!?行動論理(Action Logic)が貼られた飲食店が誕生!!

学習する組織を構築する上でのテクノロジー、スキルでもあり、ひとつの道でもある「行動探求(Action

記事を読む

金の巾着ふくろ、銀の巾着ふくろ

店主の知らない関東煮・おでん!どころか、お金を出しても買えない関東煮(かんとだき/おでん)があった、、、

世の中には、知らない世界、、、があるといいます、、、 でも、たこ梅には、五代目店主(てっちゃん)の

記事を読む

現在の「いかゲソ」関東煮(かんとだき/おでん)のPOPです

「いかげそ」が「いか○○」に見える!?、「いかげそ」関東煮(かんとだき/おでん)のPOPをスグ変更です!

先日、お客さまから、電話をいただきました クレームの電話です 新梅田食道街にある たこ梅 分店の

記事を読む

「掃除と動機付け」のシステムループ図

「片づけながら仕事をする」を聞いて気づいた掃除・片付けとPOP、売上の関係

一昨日は、店長さんとのお店の運営についての月1回の面談です その中で、店長さんの一言で気づいたこと

記事を読む

新梅田食道街 たこ梅 北店のお客さまと楽しむ双六

お客さまと楽しむ日本一周、世界一周の双六ゲーム、コンプリートが出始めました!!

今年、6月から受付をスタート、、、 8月には、募集定員が満杯となった新梅田食道街 たこ梅 北店のお

記事を読む

「たこ梅FUN倶楽部通信2018年4月号」を制作中

「たこ梅FUN倶楽部通信2018年4月号」の制作がんばってます!!(って、ホントは追われてるだけですが、、、^^;;;)

今日は、3月18日、、、 3月も、とっぷりと後半にはいってます ま、まずい、、、^^;;;

記事を読む

ニューズレターの原稿を制作中

「たこ梅FUN倶楽部通信2019年10月号」の原稿を制作中です

たこ梅では、年4回、たこ梅FUN倶楽部の部員さんに「たこ梅FUN倶楽部通信」というニューズレターをお

記事を読む

インテグラル心理学(ケン・ウィルバー 著)

インテグラル心理学(ケン・ウィルバー 著)の読書、やっと再開!!

日本一古いおでん屋「たこ梅」の 雑用係 兼 五代目店主 てっちゃんです サラリーマンからお店を

記事を読む

Kindle版はラインを引きやすい

U理論 第二版 2回目を読書会のおかげで読み終わりました

日本一古いおでん屋「たこ梅」の 雑用係 兼 五代目店主 てっちゃんです U理論 第二版の読書会

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ブログをメールで購読

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

23人の購読者に加わりましょう
follow us in feedly
創業弘化元年。日本一古いおでん屋と言われるようになりました。 多くの作家や文化人にもご愛顧いただいたお店、鯨のサエズリなどの関東煮、たこの甘露煮、 そして錫の杯で、大切な方と粋な一献いかがですか?










PAGE TOP ↑