*

面談で「パターン」や「構造」の話が出るたび、システム思考の氷山モデルが登場します

毎月1回、お店のスタッフさんと面談やコーチングをします
最近は、ちょくちょく、その中で、氷山が登場するようになりました、、、

システム思考の氷山モデル

氷山、、、といっても、タイタニック号がぶつかった、氷山そのもの、、、じゃありません

氷山で水面から出ているのは、全体の約10%だけ

氷山で水面から出ているのは、全体の約10%だけ

よく登場するのは、システム思考で使われる「氷山モデル」というツールです
氷山って、船から見ると、「デッカーー!!」って思いますよね
でも、実際に(船から)見えている!氷山は、全体のたった10%程度です
その9倍、全体の90%は水の下にあるんです

そう、実は、「見えているものより、見えていない部分の方がはるかに大きい!」んです

これと同じように、何かが起こります
例えば、失敗した出来事とか、、、
たいてい、その失敗を修正しよう!とか、後始末をして被害を小さくしよう!とします

もし、その失敗、、、つまり、自分から見えている失敗が、水上の氷山だったら、、、
それより遙かに大きい、本体が隠れていることを知らずに「対処」することになります
本体に手をつけていないものだから、またぞろ、同じような失敗や、違う箇所で失敗が起こる、、、、なんてことになりがちです

システム思考の氷山モデル

システム思考の氷山モデル
(チェンジ・エージェント社より拝借)

それを氷山の模して表したのが、システム思考でよく使われる「システム思考の氷山モデル」というツールです

我々に見えている「出来事」の下には、繰り返されている「行動パターン」があり、そうなってしまう「構造」がその下に控え、さらに下には構造そのものを生み出している「意識・無意識の前提」があるというモデルです

「出来事」レベルよりも「行動パターン」を変える方が効果が高いし、それよりも、「構造」を変えた方がより抜本的に変わる
もちろん、一番、影響力が大いのは、「意識・無意識の前提」です
同時に、レベルが深くなればなるほど、一般的に、変えるのが難しい、たいへん、、、ってことになるんですけどね

面談・コーチングで「氷山モデル」が登場するようになった理由(わけ)

最近、面談やコーチングをしていると、ちょくちょく、システム思考の氷山モデルが登場するようになりました
今の話題が氷山モデルのどのレベルのことかをメモに書き入れながら、面談したりしています

スタッフさんとの面談時に氷山モデルを使ったときのメモ

スタッフさんとの面談時に氷山モデルを使ったときのメモ

取り上げている課題が、どのレベルなのか?ってことを見て、さらに深いレベルで解決に取り組もう!っていうのが、おそらく、この氷山モデルを使った標準的な面談やコーチングのやり方だと思います
ただ、うちの場合、最近、氷山モデルが登場するようになったのは、スタッフさんの成長の方に理由があります

あるお店で起こった失敗とその後の対応

この間も、お店である失敗をして、お客さまに注意を受けたそうです
そのとき、そのスタッフさんは、その失敗をしたスタッフさんを叱る、注意するのでは無く、「なんでこうなったんだろう?」「何のために(その作業を)やっているんだろう?」って自分に問いかけたそうです
2,3年前だったら、確実に、失敗したスタッフさんを叱って(というより、実際は、叱り飛ばす!だったでしょうね)いたスタッフさんです

そうして、そのお客さまに「すみませんでした。これから、ちゃんと、、、」っていうようなことを伝えたら、そのお客さまも「わかってる!もう、ええねんで!」と言ってくださったし、まわりのお客さまからも応援の言葉を書けてもらったそうです

そして、他のスタッフさんには、「自分は、お客さまに、ちゃんと出して、喜んで帰ってもらいたい!それで、(その失敗が起こらないような)こんな仕組みを考えてみたんやけど、どう思う?」って聞いてみたら、「いいと思います!」「それでやりましょう!」っていう返事が返ってきました

以前のそのスタッフさんだったら、「失敗なくすために、こうするから、ちゃんとやってや!」と正解を指示するだけだったと思います
それが、自分がどんな気持ちで、お客さまにどうなってほしいか!そして、そのために、どんな取り組みをしたいか!さらに、それについて、みなさんはどう思うか?と問いかけています

プロセスが異なる

最終的に、改善する仕組みを導入しています
きっと、2年前、3年前でも、そこは同じで、同じか同様の仕組みをすることにしたでしょうね
最終成果物は同じ、、、でも、そこに至るプロセスが全く異なっています

起きた出来事(この場合は失敗)から、意味を探索しています
自分にとっての意味、つまり、何のためにやっている!ってことです
ここに至って、そこから、どのように失敗が起きない構造に変えたらいいのかに取り組んでいます

やっぱり、自分にとっての意味から、その改善について、一緒に仕事をするスタッフさんに問いかけています

スタッフさんが成長している

目の前に見ていることにフォーカスするのではなく、自分の内面を探索し、そこから起きたことを見ていくことで、氷山モデルで言うと内面の構造(心理的構造)に気づきます
さらに、仕組みという物理的構造の変革に至っています

また、他のスタッフさんに問いかける、伝える時も、単に、その内容を「言葉で言う」のではなく、自分の意図という内面にアクセスし、そこから、初めて言葉にして言っています

スタッフさんの成長をサポートするために氷山モデルを使う

明らかに、スタッフさんが発達という垂直方向の成長が生じているのが見て取れました
もちろん、本人も、自分が以前と変わっていることは感じ取っていますが、具体的に、何がどう変わって、今回こうなっているのかは見えていません
それを「システム思考の氷山モデル」を使って、「以前は、こうだったよね!でも、今は、こういう風なプロセスで進んだよね、、、」なんてことを説明していきます
説明を受け理解する中で、今回うまくいった構造レベルまでいって解決策を生み出すということが見え、このプロセスが脳に定着する、脳に回路が形成されるスピードが速くなります

もちろん、スタッフさんと話をする中で、「あーー、これは、ものは違うけど、あのプロセスをつかってるよね!」って私が気づくと、氷山モデルで「あのときと、出来事は違うけど、同じようにできてるよね!」って繰り返し伝えます
そうすると、本人さんが、このプロセスを意識して使えるようになっていきます
最終的には、意識せずとも、、、

こんな感じで、最近のたこ梅の面談、コーチングでは、「氷山モデル」が活用されているんですよ
さぁ、今日も、楽しくがんばります!!(^o^)

 

関連記事

1月の店長会議

2018年1月の店長会議~学習する組織への取り組みから効果が見えるまでには年単位のタイムラグ!~

今年最初の会議は、2018年1月の店長会議です 毎度、いろんなことが議題にあがります 過去10年

記事を読む

たこ梅 分店の谷口さんと面談

2月も店舗運営の面談をやってますよ

毎月、たこ梅では、店長会議、現場会議という会議をやっています 2月の店長会議[/captio

記事を読む

新梅田食道街 たこ梅 分店の森口さんと行動探求(Action Inquiry)

スタッフさんと、2018年、最初の行動探求(Action Inquiry)です!

1月4日は、2018年最初のスタッフさんとの行動探求(Action Inquiry)でした 201

記事を読む

12月の現場会議です

12月の現場会議~顧客進化の仕組みの大穴をふさぐ!~

先週、若手スタッフさん中心の12月の「現場会議」をやってました 各店から、1名ずつ代表のスタッフさ

記事を読む

行動探求 入門講座 第2回レクチャー

新人の山台さんに行動探求の第2回レクチャーです

2年半前から、月1回、正社員さん、ホールのパートスタッフさんと自分の内面のクセに気づき、出来事の奥に

記事を読む

学習経路の6グリッド(行動探求のマトリックス)のシート

行動探求で、自分のメンタルモデルだけでなく、お客さまの気持ちや前提も明らかに!!

2017年4月から、毎月1回、行動探求(Action Inquiry / アクションインクワイアリー

記事を読む

崖っぷちでも諦めずスタッフさんと一緒にアクションプランをつくります

崖っぷちで正直シンドイですが、成長・発達・リーダーシップを磨くチャンスでもあるので、スタッフさんと一緒にふんばります!!

新型コロナで、4月の緊急事態宣言では約1ヵ月半の休業でしたが、なんとか耐えました 「緊急事態

記事を読む

ブログを書ける理由、書けない理由の親和図を作成中

10月の現場会議の中で気づいた私(てっちゃん)の重要な仕事とは?!

この前、たこ梅の若手スタッフさんが中心になってやってる現場会議でした この日も、いろんな議題が出ま

記事を読む

2018年2月24日朝日新聞朝刊のホワイト企業大賞の記事

朝日新聞2月24日朝刊のホワイト企業大賞の記事で、たこ梅が掲載されました!

一昨日(2/24)、フェイスブックのメッセンジャーで、数人の友人からメッセージをもらいました 内容

記事を読む

新しくなったAndroidタブレットを操作中

新型Androidタブレットの配布が、スタッフさんに行き渡ります!

2008年のリーマンショックを機に、スタッフさんが自律的に考えて行動する学習する組織を目指すことにし

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ブログをメールで購読

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

26人の購読者に加わりましょう
follow us in feedly
創業弘化元年。日本一古いおでん屋と言われるようになりました。 多くの作家や文化人にもご愛顧いただいたお店、鯨のサエズリなどの関東煮、たこの甘露煮、 そして錫の杯で、大切な方と粋な一献いかがですか?










PAGE TOP ↑