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「組織開発というより、組織発達なのでは?」と思うのです

公開日: 成長・発達, 学習する組織

2017年に「ティール組織」という本が発売されると、このティール組織はブームにもなりました

「ティール組織」(フレデリック・ラルー 著)

「ティール組織」(フレデリック・ラルー 著)

ティール組織とは?

組織は、人と同じように政調発達するという前提にたったとき、人類は、これまで、組織としていくつもの段階を経てきました
現在の世界、主として先進国と言われる国々で主流なのは、達成型とよばれる「オレンジ組織」です
上意下達、リーダーが方針や戦略を決め、部下がそれを実行する
メタファー(比喩)でたとえると、機械や歯車のイメージです
これはこれで、経済発展に貢献してきたし、とても有効な組織です

【人類のパラダイムと組織の発達段階】

進化型・ティール)変化の激しい時代における生命体型組織の時代へ。自主経営(セルフマネジメント)、全体性(ホールネス)、存在目的を重視する独自の慣行。

多元型・グリーン)多様性と平等と文化を重視するコミュニティ型組織の時代へ。ボトムアップの意思決定。多数のステークホルダー。

達成型・オレンジ)科学技術の発展と、イノベーション、起業家精神の時代へ。「命令と統制」から「予測と統制」。実力主義の誕生。効率的で複雑な階層組織。多国籍企業。

順応型・アンバー)部族社会から、農業、国家、文明、官僚制の時代へ。時間の流れによる因果関係を理解し、計画が可能に。規則、規律、規範による階層構造の誕生。教会や軍隊。

衝動型・レッド)組織生活の最初の形態、数百人から数万人の規模へ。力、恐怖による支配。マフィア、ギャングなど。自他の区分、単純な因果関係の理解により分業が成立。

神秘的・マゼンタ)数百人の人々構成される部族へ拡大。自己と他者の区別が始まるが世界の中心は自分。物事の因果関係への理解が不十分で神秘的。

無色)血縁関係中心の小集団。10数人程度。「自己と他者」「自己と環境」という区別がない。

ティール組織

ただ、現在は、VUCA(Volatility / 変動, Uncertainty / 不確実, Complexity / 複雑, Ambiguity / 曖昧)という先が読みづらい世の中になってきています
今、日本を含め世界を席巻しているコロナウイルスのパンデミックも予想されていないし、どう対処したらいいか正解はなく、変化する中で、より良いだろう!という方向を選んで進んでいくしかありません
そんな現代においては、組織は、まるで生命体のように自律的であることが必要で、その要件あるいは特徴として「自主経営(セルフマネジメント)」「全体性(ホールネス)」「存在目的」がある組織が出現しつつあり、これをティール発達段階として「ティール組織」と呼ばれます

奥)イラスト解説ティール組織、実務でつかむ!ティール組織、自主経営のはじめ方 手前)ティール組織

奥)イラスト解説ティール組織、実務でつかむ!ティール組織、自主経営のはじめ方
手前)ティール組織

まぁ、ティール組織に詳しいことや正確なことは、本をご参照ください
いまは、何冊も、ティール組織関係の本が出ていますしね

組織開発というより、組織発達なのでは?

そのティール組織の影響もあって、昨今、ますます、組織開発なるものが流行ってるそうです
社内で情報が流通しやすい、風通しのより組織になったら、きっと、仕事も結果もうまくいく!ということだろうと思うのですが、そのために、組織のあり方や構造を変革しようという活動です

この組織開発ですが、日本では、戦後しばらくしてアメリカからやって来た感受性訓練/感受性トレーニング(Sensitivty Training Method / 通称ST)やTグループ(Training Group)などのメソッドをベースに始まったと私は聞いています

それで、10数年周期で、組織開発が流行るそうなんですが、今もティール組織のブレークのおかげで大流行みたい、、、

まぁ、今日は、その組織開発のことではなく、先日、ふと思ったことなんですが、、、

「組織開発というより、組織発達なのでは?」と思ったのです

私の中でのニュアンスの違いかもしれませんが、、、
組織開発の前提は「できる」もので、組織発達の前提は「ゆだねる」もの
そもそも、開発は「他者がする」もので、発達は「自らする」もの
組織開発は「する」もので、組織発達は「促す」「見守る」もの
そして、組織発達は、勝手に「する」ようになると思うし
そんな風に思うのです

組織開発と組織発達のFBでの書き込み

組織開発と組織発達のFBでの書き込み

そんなことをフェイスブックに書いたら、そのあといくつものコメントをいただきました

例えば、次のようなコメントです
「日本語に訳すときに異論はあったようやね。発達の方がしっくりくるな。」
「わたしもその違和感ずーっと持ってました。人材開発も然りです。」
「2006年の本にorganisational developmentの日本語訳について(組織発展と)書いた」※()内はてっちゃんの追記
「development には、「発展」と「進化」のニュアンスもありますね。」

開発というと産業開発とか都市開発とかのように、外から来た人が何かをして「そこ」を変えるというニュアンスが強いのかもしれませんね
わたしも、そうですが、、、

いただいたコメントを見ていて、組織開発より、組織発展は「組織が発展した状態を目指す」的なニュアンスがあるのだろうと思いますが私は客観的な表現でなるほどと思いましたし、「組織進化」は組織発達よりもさらにピュアというか真性なものを感じます

ずっと組織の発達と進化を考えていた

ところで、この組織開発と組織発達を考えていて思い出したことがあります

学習する組織入門、学習する組織、マンガでやさしくわかる学習する組織

学習する組織入門、学習する組織、マンガでやさしくわかる学習する組織

わたしのブログを読んでいただいている方はよくご存じかもしれませんが、2008年のリーマンショックをきっかけにお店の業績が下降し、その後「学習する組織」に出会って「これだ!」と思って2010年4月から学習する組織の構築に取り組んでいます

実は、私は当時「組織開発」という言葉も概念も知りませんでした
そして、学習する組織を学ぶため、セミナーやワークショップに行くようになって数年たった頃、何人かの講師の方々から「てっちゃんのやってるのは組織開発やね」といわれたことがあります
組織開発の概念もあまりなく、単純に、たこ梅を学習する組織にしようと思っているだけでしたし、そこで起こるのはスタッフさんの成長発達とそれと相互に作用する組織の成長発達だと思っていたので、「いや、学習する組織をつくろうとしているだけです」とか「うちのスタッフさんの成長発達を通じて組織(たこ梅)が進化するためにやってるだけです」と真顔で抗弁していました

その頃から、組織開発というのに(組織開発に真面目に取り組んでる方ごめんなさい、、、なんですが)私の勝手な思い込みだろうと思いますが、何かしら、恣意的なもの、操作性を感じていてい抵抗があったのだろうと思います

どうじに、その頃から、お店のスタッフさんとたこ梅という組織の発達と進化を考えていて、それこそが学習する組織の別の側面を表している!ということだったのです
あ、今も、そうですけど

で、これからも、スタッフさんと一緒に、スタッフさんとお店の発達と進化に取り組んでいきます!!

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たこ梅 五代目店主 てっちゃん
大阪の道頓堀で創業180年の「関東煮(おでん)」と「たこ甘露煮」の上かん屋『たこ梅』の雑用係で五代目の てっちゃん(岡田哲生)です さらに百年後も店が続くために取り組んでいる日々の活動を綴ります ところで、ヨガと瞑想を始めました!! おかげさまで、心身ともにエエ感じです

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創業弘化元年。日本一古いおでん屋と言われるようになりました。 多くの作家や文化人にもご愛顧いただいたお店、鯨のサエズリなどの関東煮、たこの甘露煮、 そして錫の杯で、大切な方と粋な一献いかがですか?










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